その他(BL)
□素直になれたら
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平太が俺の事を特別だと思っていなくたって、構わないと思った。
だって、俺が平太の事を特別だと思っているから。
「奏、何突っ立ってんだ?そんなとこに居たら、風邪引いちまうぞ。」
平太を待ってたのに…こいつ、ちっとも気付いてない。
俺は小さく溜息を吐くと、眉間に皺を寄せながら平太に問い掛けた。
「…俺がどこで何してたって、平太は興味ないんじゃないの?」
「…奏?何むくれてんだ?」
「…別にむくれてなんかないから。もう、ほっといてよ!」
思わず涙が出そうになり平太に背を向けると、平太に後ろから突然抱き締められた。
「…奏。もしかして、ヤキモチか?俺が皆の世話ばかり焼くから?」
「う、うるさいなっ!妬いてなんかない!放せよ、帰るんだからっ!」
「…俺の家に来いよ。奏と二人きりになりたい。」
「…平太、人の話聞いてる?俺は家に帰るって言ってるんだけど。」
平太の唇が首筋に寄せられ、俺は思わず小さく身を捩らせた。
「…だったら、何で腕を振り解かねーんだ?奏も男なんだからその位の力はあるだろ?」
「…っ…それ、は…ほ、本当は……嬉しいから……あーもう!何言わせるんだよ、平太のバカ!」