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□本の虫
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私は今、日本に住んでいる
今まではアメリカで仕事をしていたのだが、潜入捜査ということで駆り出された
正直今すぐ帰りたい
愛しの本たちの元へ戻りたい
日本で私の見た目は目立つ為、視線が痛いのが気に入らない
色素の薄い金髪
グリーンの目
特に目の色は珍しいだろう
世界で0.2%程だという
「本本本本本本本本…」
本当に早く帰りたい
横ではバーボンが引いていた
私のコードネームはスティンガー
酒言葉は"危険な香り"らしい
……そんなに私の本への愛情から危険な香りしてたか←
「……ジン、なんか本ないの」
ジ「そんなもん持つわけねぇだろ」
「チッ、使えねぇな…」
ジ「あ"?」
私のつぶやきが聞こえていたジンは、カチャリとこちらに拳銃を向けた
仕事柄なれている私は、特に反応しなかった
結局、ちょうど現れたベルモットが宥めてジンは拳銃を下ろした
素直か←
すぐに下ろしたことに私は吹いた
ジ「何笑ってやがる」
「いや…別に……ふっ」
ジ「チッ」
「ぶふっ……ふふ」
どこのガキンチョだよ
アメリカでもこんな大人は見た事…もしかしたらあるけど!←
私はふと、バーボンを見た
……うん、童顔だ
何度見ても、顔が幼い
っというか、日本人でも金髪青眼は居るの?
黒髪黒目じゃないの?
遺伝子組み換えでもしたのかよ
バ「……?、どうしました?」
「いや……今更たけど、幹部ってキャラ濃いなぁ…って。ウォッカ一番まともかもしれない」
バ「僕もまともですよ!?」
「え、どこが。なんかビッチ感あるんだけど」
バ「失礼ですね!?」
「はいはいごめんね〜。あ、本ある?」
バ「はぁ……持ってくるわけないでしょう」
「は?なんでだよ」
バ「逆になんでそんなに本が読みたいんですか」
え、それ聞かれると思わなかった
そういうの男は気にしちゃダメだと思う
うんうん、ジャパニーズの男は堂々といこう
ちょっとしたこと気にしちゃダメだよ
「……ジン、そういやなんで私ここにいるんですか。用ないなら帰っていいですか」
ジ「勝手にしろ」
「じゃあ何で呼んだんだよ!この銀髪ロングゥ!!」
本読む時間が削られたろうが!と私は叫んだ
ジンはうるさいとだけ言い、どこかに行った
…え?ホントに用無かったの?
マジで?
バーボンは口元を隠しながら笑っている
ベルモットは特に反応していないようだ
私は、椅子を蹴飛ばしてクルマに向かった