Dream
□雨
1ページ/2ページ
今日は空の人が怒ってんのかな
びっくりするくらいの土砂降りと雷
雨は嫌いやないけど
窓がガタガタ言うほど振られたら
あんまいい気はせーへん
けどな、こんな日にはいつもと違うもんを
見れんねん
プルルル
「はい、もしもし」
彩 「あ、1?」
「お仕事終わったんですかー?」
彩 「今終わってんけどさ、その…」
電話口でモゴモゴする彩さん
言いたいことは何となく想像できる
「お迎え、でしょう?」
彩 「べ、別に雷怖いとかちゃうから!」
「ふふっ分かりました、今から行きます」
彩 「ありがと」
そう、彩さんは雷が大の苦手
皆の頼れるキャプテンにこんな可愛いとこ
があるなんてたまらへんやろ??
雷が鳴ってる時は怖くて
外を1人で歩かれへんらしい
年下の高校生に頼っちゃうねんで?
あーー可愛すぎるわ…
30分くらいで仕事場に到着
スタッフさん達に挨拶をし彩さんの
姿を探すと部屋の隅に小さく座っていた。
「彩さん!」
彩 「あ、1〜」
嬉しそうにクシャってする笑顔には
言葉では言い表せへんものがある
「さ、帰りますよ」
彩 「どんな感じやった?外」
「土砂降りです」
彩 「やっぱりかぁ…」
「私もいますし行きましょ?」
彩 「うん…」
腰の重い彩さんを引っ張って
スタジオの玄関に行く。