Dream
□ピアス
2ページ/3ページ
夢莉さんの手を掴んで
私のお腹の方へ回す
そうすると必然的に夢莉さんが抱きしめるような形になる
ギュッと2人の体の隙間を無くすように
夢莉さんの方に抱き寄せられる
夢 「こうしたかったん?」
「…なんか手が勝手に」
夢 「心の奥底で思ってたから体が動いたんでしょ」
「思ってないですぅ」
夢「ふーん、なら離そうかな」
「あ、あかん!」
素直に気持ちを伝えられへんせいで
夢莉さんの手が離れそうになったから
冗談やと分かっていてもまた捕まえてしまう
夢 「必死やん(笑)」
「…スマホもええけど私の事も見てほしかってんもん」
あんなに気持ちを素直に言えへんって
思っとったら急にポロッと本音が
言えたりするもんやから自分でも自分がよう分からん
こっち向いて、って夢莉さんの方を向かせられる
余裕そうに微笑んでる夢莉さん
いろんな感情が混ざってグチャグチャな
私はとりあえず夢莉さんにしがみつく
夢 「ふふっ、なーに?甘えたさん」
「甘えたやあらへん」
夢「こんなしがみついといてよく言うわ」
「…」
夢莉さんとの隙間をなくしたくて
私の顔も夢莉さんの首元にピッタリくっつけた
目に入ってくる夢莉さんの耳
前よりまた増えているピアスホール
「…また増えてるピアス」
夢「開けたの」
「好き?ピアス」
夢 「うん」
あーあかん
今日の自分はどうかしてる
ピアスにまで嫉妬するなんて
でももう止められへん