来年笑う

□解毒印
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 「自分が作った薬は効きませんわ」

ちゃんと対策してありますのでと苦笑しながら答える

鬼「対策…ですか。それは私にもできますか?」

 「鬼灯様が作った薬の対策ですか?それとも私の作った薬のですか?」

それによって違いますけどとあまり言いたくなさそうな雰囲気を作る

鬼「私、官吏なんでこの薬効くとよくないですし」

そう言って自白剤の試験管を軽く振る

 「私が作った毒薬に対してだけ無効にすることならできますけど…
大概の人は嫌がるか変な勘違いするのでお勧めはしませんわ」

私もあまりやりたくないですと両手を膝に置き困った顔で視線を逸らす

 「あっ薬飲ませたいわけじゃ無いですわよ!あのっ!対策方法がちょっとアレなんで…」

誤解しないでくださいと首と手をブンブンと横に振る

鬼「やり方…聞くだけ聞いていいですか?」

 「まぁ…話すだけなら…あまり引かないでくださいね?」

鬼「大丈夫です。」

 「自分の薬を作った時に解毒印を作るんです。これは教えられませんがコピーをする事は出来るんです」

解毒印の作り方は条約上教えられませんのですみませんと頭を下げる

鬼「解毒印?」

 「はい。これです」

そう言って口を開け舌を出す…すると舌の上にうっすらと魔方陣のようなものが浮かび上がった

 「自分の薬が効いて欲しくない人にコピーする事が出来ます」

私の場合は毒薬に対してなのでわりと限定されますけどと謙遜する

 「しかもこれ自分が作った薬だけなので、他の人が作ったのを飲んだらアウトですし」

意外と役に立たないからやってる人は少ないという

「やり方は相手の舌に自分の舌をくっつけるんです…3分くらい
なので同性でも途中で耐えられなくなったり、ましてや異性だと…まぁお察しください」

鬼「あー。なるほど…」

 「私の職業上どうしても解毒印が必要だったので。解毒印を知らない魔女も居ますよ」

鬼「ミサさんそれ私にやってもらえますか?」

 「へ???」

鬼「単純に興味があるのと、呵責のヒントになりそうだなと思いまして」

 「鬼灯様……本気ですか?」

信じられないという表情を隠すこと無く聞く

鬼「どうしても無理なら諦めますが、そちらの文化に興味があるので。滅多に出来ない事だと思いますし」

大丈夫です後悔はしませんと謎の宣言をされる

しばらくの沈黙が続き……

 「うーん……わ わかりました…」

ミサの根負けである
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