解説

□愛と謝罪
1ページ/1ページ




大好きだった彼氏と別れたあと、妊娠が発覚しました。

問題が山積みでした。

まずは私が学生で学費から生活費まで自分でやりくりしていたこと。

彼氏と別れてしまっていたこと。

そして、きちんと避妊をしていたこと。

特に3つ目が私のことを苦しめました。

もちろん、元々何のための行為なのか考えなかったのが悪いと言われればその通りです。

しかし、よくある避妊具の間違った使い方は一切しておらず、心当たりがありませんでした。

そのため、気付くのが遅くなり病院に言った頃には亡くなっていました。

「宝くじが当たったようなもの」と医者は言いました。

だったら宝くじが当たりたかった、と思ったのを覚えています。

世の中には欲しくても恵まれない人もいるでしょう。

そんな中で、きちんと人間としてこの世に誕生させてあげられなかったことをとても申し訳なく思いました。

もちろん元彼氏にはきちんと報告しましたが、俺の子じゃないだろ?と浮気を疑われました。

当たり前ですよね、そのくらい心当たりがお互いなかったのです。

ただ、仮に産んだとしても私じゃ満足した生活を送らせてあげられなかったかもしれません。

私自身も将来の夢が絶たれる事で、産んだこと後悔するのかもしれません。

そして、人工的に取り出したとしても私の心が耐えられる自身もありません。

私はその後、大学を辞めました。

きっかけは元彼氏からの対応や妊娠のことから精神的に不安定になってしまったことでした。

辞めたあとは何に対してもやる気が起こりませんでしたが、ふと1度諦めた夢をもう1度追いかけることを決意しました。

「誰のせいでもないんだよ。何かを伝えるためにあなたのところにやってきたんだよ。」と看護師さんが励ましてくれたことを思い出しました。

しかし、まだ、深夜まで寝られずにいると申し訳ない気持ちでいっぱいになります。

今度はちゃんと大切にするからね。みんなに迎えてもらえるように立派になるからね。
そう思いながら今は夢を追いかけています。







前の章へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ