詩
□密室の中の少女
1ページ/1ページ
ひとつ。
ふたつ、みっつ。
よっつ。
いくつあるのか数えるのはとても退屈なのだけ
れど。なにもしないよりはまし、なーんにもし
ないよりはまし。
おおきくもない、ちいさくもない箱のなかで夢
を見せるわたしはきっと神様からご褒美がもら
えるね。
上にいるからってあなたがわたしを支配してい
るわけじゃないって。わたしはいま数を数えて
いるだけなの、そう、だから、あなたはただの
暇つぶし。
やさしいのはきっと制服を着たお兄さん。すれ
違うかかしたちはおくちがないので話せない
の。
ろくじゅうきゅうまで数えたら、目の前はまっ
くろ、だけどね、おもしろい。
●