詩
□華を手にした僕に
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僕は手にした。勝利の象徴ともいえる
華を、でもそれは
僕の望んでいたものではなくて。
夢にみていたもの。
「ゆめはかなわないからゆめなんだよ。」
消えるまえに君の残した
こえ、
きこえているかなあ。僕のこころ。
僕の望みはただひとつだったはずなのに。ち
かったはずなのに。
それは、かなえなくてはならないものだったの
に、きみとちかったのに、僕は。
華は僕の掌の上で笑っていて、僕も笑ったのだ
けど。
それが正しい選択だったのかは僕にはわからな
いから、そっと華を持つ手を変えた。
僕の世界にはこの華は似合わなかったというこ
とがただ僕の胸にすとんと落ちて。
「ぼくののぞみはきみのゆめがかなうこと。」
忘れてた。
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