さうす小説
□ケニーとヤク中*
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「うわ、すごいね。」
思わずフードの中からくぐもった声がでた。
僕は友人の部屋のベッドで寛ぎながら、彼の左腕をまじまじと見つめる。
青白く細っこいその腕には無数の注射の痕が散りばめられ、大して処置も施していないのか赤紫に変色していた。
「痛くないの?」
「別に。一度打ったらこんなん気にならないくらい気持ちがよくなる。」
「ふぅん。」
特に興味なさそうに返事をして、その痛ましい痕に舌を這わせた。
微かに乾いた血の味がする。
「おい!何やってんだよ」
「消毒。怪我したらツバつけとけば治るって言うでしょ。」
「それはお前んとこだけだ。どうせ絆創膏すら買えないんだろ。」
マジでやめろだのゲイだの汚ねぇだの、上から降ってくる謗りを無視して丹念に舐めてやる。
触れる舌がぬるりと動くたびに小さく身震いするリークを内心からかっていたのだ。
「リークは気持ちいいのが好きなの?」
「そりゃ、苦しいよりは。」
「今まで以上に気持ちいいものあったら、コレもうやめる?」
そう言って腕の痕を舌で指す。
「...そんなんあるわけない。」
「そっか、まだ知らないんだ。」
そういえば"そういうこと"に関しては、彼はいたって潔白で無知な奴だった。僕と違って。
「いいよ、教えてあげる。」
「...んっ、ふ...ぅ、んん...っ」
「これリークのファーストキス?」
「ん...っは、は...は...ぁ」
余裕無さそうに、僕のフードに必死で縋り付く。
ぐっと堪えて目を瞑る顔も、荒い息で肩を震わせる姿も、今の僕にとっては興奮材料でしかなかった。
「ほら、前も弄ってあげるから。力抜いて。」
ズボンをずらし彼のモノを取り出すと、少し張り詰めているものの、それが快感とは理解していないようだった。
つつ...と裏筋を撫で上げ、ゆっくりと擦る。
「あ!?さ、わんな...ぁっなにこれ...っ」
「君、抜いたこともないの?」
純潔な友人を汚していく背徳感を感じながら、手の動きを速めていく。
透明な液が溢れる先を軽く吸い上げ、舌先を差し込む。
それに合わせていちいち大げさな反応する彼は、そこら辺の安っぽいAVよりも至極掻き立てられた。
「はぁ...っ、おい..っあ!!待.....っ!やめ!」
「もうイきそう?でも、出るかなぁ。」
「で、..出るって..!?なに...ぃぁっ...!!ーーーーっ!!!」
「......やったね、精通おめでとう。」
僕の手の平に吐精したリークはそのままぐったりと力をなくし、ベッドに体を投げ出す。
「どう?そんな針刺すより断然気持ちよくない?」
「.....もう、やらないからな。」
「ふふ、別に僕は構わないけど。」
どーせ僕が帰った後、思い出して一人で抜いちゃうくせに。ヤク中やめる代わりに今度はオナニー漬けになっちゃうかも。
「でも、まだこれで終わりじゃないんだよね。」
「は.....」
「僕まだキツイままだからさ..、治してよ。」
そう言ってリークがまだ誰も受け入れた事の無いだろう処を指でなぞる。
今日は僕が全部教えてあげるね。