スラダン(短め)

□三井✖桜木軍団の女
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三井✖桜木軍団の女
続編です!!!

なんだかお馬鹿な話です…








『ねぇ、三井ってさぁ』
「あん?」
『童貞なの?』
「ッ!?」

帰り道
そんなことを聞いてみればゲホゲホと咳込む三井

「お、お前なぁ…!」

真っ赤な顔で睨まれて、あぁ童貞か。なんて納得した



突然ですがみなさん。
わたしはこうして三井と登下校を共にしていますが付き合っておりません。

以前、好きだと認めさせられてから何かあると思ったのはわたしだけだったようであの後、特に何を言われることもなく…

いやお互い好きなのは明白なんですけどね。

ちゃんと、好きだ!付き合おう!という言葉もなく…ただただ教室に来て自然と話し、自然と登下校を一緒にするという…

意外と奥手なのか…?と思い、童貞か聞いた次第です。

まぁ…でも正直なところ、童貞と聞いて嬉しくもあり…



「お前は…どうなんだよ…」
『え、何?』
「いやだから……」

照れ臭そうに後頭部をガシガシと掻く三井にプッと吹き出す。

『確かめてみれば?』
「ぁあ!?」

最近はわたしが三井をおちょくる感じになっていて、なかなか楽しくはあるけど…
やっぱ付き合ってないだけあって甘い雰囲気にはならない…
わたしから付き合いたいなんて言うのも…なにか違うくて…

「…なんかお前、最近イライラしてるよな…生理前かよ」
『ちげーよ、馬鹿。』
「……………」

冷たく言い放てば、ズボッとポケットに手を突っ込み、「そうかよ…」と帰路とは違う道に反れて…

『ちょっと!?どこ行くの!?』

三井はわたしを無視して行ってしまった

なんなの!?
そりゃあ冷たくもなるよね!?
誰だってちゃんと、付き合おうって行って欲しいよね!?



「言えばいいだろ?ミッチーに付き合おって。」
『言えたらとっくに言ってるわァァァ!』

洋平に相談すればこうだよ、もう…

「何で言えねんだよ…別に女から言ったっていいじゃねーか」
『お前は女の気持ちをわかってない!言われたいもんなんだよ!』
「男勝りなお前が何言ってんだよ…」
『それとこれとは別!』
「お前も恋する乙女ってワケかよ」

興味なさそうに机に頬杖をつく洋平
こんな相談は花道にもあの3バカにもできるわけがない
でも洋平もこの調子じゃ…わたしはどうしたらいいの!?

「要は…お前はどうしたいんだよ」
『え…?』
「ミッチーの彼女になりたいんだろ?」

ストレートに言われてしまえば照れてしまう

まさにわたしは…彼女になりたい。
というかもっとこう…甘い雰囲気がほしい?

「あ、名前。お前、ここにいたのか」
『花道…なに?』

どうやら入れ違いになったであろう花道がわたしと洋平の前に立ち…

「ミッチーに朝練の時によ、お前にこれ渡してくれって頼まれた」

花道から小さい紙を受け取る
それをすぐに開いて見てみれば…

<別れよう>

は…?
ワカレヨウ…?
わかれよう…?

別れよう?!?!?!


「なんて書いてんだ?」
「凄い深刻な顔してたぞ、ミッチー」

洋平も花道も手紙の内容に興味津々だ
こんなの言えるはずもなく…

手紙をビリッビリに破いてゴミ箱に捨てたった。








『よぉ。顔、貸せや。』
「……名前」

校門で待ち伏せ
三井は何故か悲しげな顔

「俺は何も話すことない…」

そう言ってわたしの横を通り過ぎようとしたので肩を掴む

『わたしはある。いいから顔、貸せやこの野郎…』

内心、穏やかなワケがなかった
溜め息を吐き、わたしの後をついてきて公園で話すことに


「なんだよ…」
『あのさ。""別れよう""って何?』
「…そのまんまだよ。悪かったな…」
『は?』
「俺しか楽しんでなかったみたいだからよ…」

まるで話しが噛み合ってない

「このまま付き合ってもよくねーだろ?俺ももう…卒業するんだしよ…」

眉をしかめ、泣きそうな三井に胸が締め付けられる
いやそうじゃなくて。
シリアスな雰囲気に騙されるところだった…

『あのさ…聞きたいんだけど…』
「ん…?」
『いつからわたしたち付き合ってたの?』
「…………は?

目が点になる三井。
うん、わかるよ、その気持ち。
ついさっき手紙を見た時にわたしもそうなったから。

『付き合おうって話しになってないよね?』
「え………は?…………は?」
『わたし、付き合ってると思ってなかったんだけど』

しばらく固まっていた三井だが、ベンチから立ち上がり顔を真っ赤にしてわたしを見下ろした

「い、いやだってお前!!」
『?』
「俺とお前、どう見ても…!」
『いや好きあってるとは思ってたけど…でも、付き合おうって言葉もなしに付き合ってることになるの?』

ハァー…と長い溜め息をついてまたベンチに座る

「じゃあ…最近、お前が冷たかったのは…」
『うん。いつ、付き合おうって言ってくれんのかなってイライラしてた』
「そういうことだったんかよ…」

やっとお互いに落ち着いたと思ったのに…

「いや普通わかんだろ!こんだけ毎日、昼休みと下校、一緒にしてたんだからよ!」
『わかんないよ!ていうか言って欲しいし、ちゃんと!』
「あ!?」
『ちゃんと、""好き""って言ってくれないとわかんないって言ってんの!』

こんな恥ずかしいことを公園で言い合うわたしたちにもう周りなんて見えてなかった



「好きだ。俺はお前が…名前が好きだ。」

突然、改まる三井に顔を赤くしないワケがない…

「これでいいか…?」
『まだ……まだだよ……』

我儘を言えば、フッと笑う三井

「俺の彼女になれ。」

上から言いのける三井に思わず、ニヤケそうになるのを必死に耐える

『彼女にさせてください…』

驚いた顔をした三井は「はぁー…くっそ…」と後頭部をガシガシと掻く
いつも生意気な女がしおらしくすれば効果抜群だろ?

「お前マジで生意気だわ…」
『バレたか…』

ベンチに座るわたしを見下ろし…
背もたれに手をついて、唇を押し付けられた

離れる際に""ちゅッ""と音が鳴って恥ずかしさにお互い、目を泳がせる


「もう1回な…」
『…うん』


正真正銘のお馬鹿なカップルの話し



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