らんま

□おかえりなさい
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風も少し涼しくなってきて、夏の終わりを少し感じるようになってきた。星達は各々に光を放ち、夜の空を飾り付ける。一際大きく目立つのはと金色とも銀色とも言えるつやつやと夜空に光る満月。


なんだか目が覚めて、眠れなくて、時計は午後1時を指そうとしていた。


『目覚めちゃったなぁ…』


ベランダに出てみれば、夏の終わりを感じる夜風。もう、夏も終わりだね。と中国の彼に向かってそっと呟く。こんなときそばにいて欲しいなんて何回思ったことかはもう分からない。"寂しい"その一言だった。いつ、戻ってくるのかもどこにいるのかも分からない。

"中国に行って修行してもっと強くなってくる!"

そう一言言い残して彼は日本を後にした。一体中国のどこにいるのか。果たして無事なのか。ちゃんと食事は取れてるのかとか。何も私にはわからない。ただ、彼の帰りを待つことしか出来ないのだから。


"修行が終わって日本に帰ってきたら一番に会いに来るからそれまで待ってろよな"


とこの言葉を信じて待つことしか私にはできないのだから。


『乱馬…どこにいるの。』


今にも消えそうな声で問いかけたところで答えは帰ってこないし、無事でいるのかすら考えれば考えるだけ不安になる。


「ここだよ」


ふわりと頭上から聞こえた、懐かしいけどよく覚えている声に驚いてしまう。そう、この声の持ち主は他の誰でもない乱馬の…あんなに会いたくて仕方がなかった乱馬の声だ。


『乱馬!?』
「そうだよ、俺だよ」


相変わらずの運動神経で屋根からふわりと現れたのはやっぱり乱馬。少し見ないうちに前よりずっと逞しくなってて、少しまた背が伸びていた。


『らんまっ…乱馬ぁ…』


ずっとずっと聞きたかった声が心地よくて嬉しくてこみ上げてくる涙と共に抱きつくように乱馬の胸に飛び込む。


「おわっ!?そんな慌てんなって」

一度溢れてしまえば涙は簡単に止まってくれなくて、困った顔をする乱馬は私をあやすように抱きしてながら背中を摩った。

『だって、だって乱馬に会いたかったんだもん!』


待たせてごめんな…と優しく抱きしめてくれる乱馬。やっぱり乱馬だ…。


『ていうか乱馬…いつ帰ったの!?』
「ん、さっきな。本当は昼にでも来るつもりだったんだけど、どうしても姿だけ見たくてよぉ。」
『ちゃんとご飯食べてた?』
「……一応」
『修行大変だった?』
「話すと長くなるけどな…」


けど、まずお前に会いたかった。と優しく私を抱き寄せて私の髪を梳かすように撫でる。

会いたくて仕方なくて、愛おしかった存在と温もりが嬉しくてそれと同時に安心感で胸がいっぱいになる。乱馬の腕や胸は前よりずっと逞しくなっていた。


「眠いか?」
『乱馬の顔みたら安心して急に眠気が…』
「そうか。そりゃあよかった」


乱馬はんじゃあ、今日はもう寝ろよ?と私の頭にて多いてぽんっと撫でて、じゃあ、また明日来るな?と言う。私は無意識に乱馬の服の裾を掴んでいた。


「名前どうした?」
『…今日泊まってってくれない?』


少し固まって髪をガシガシすると乱馬は口を開いた。


「んな可愛い顔されたら、どーなっても知らねぇからな!?」
『…し、しらない!』


少し狭いシングルベッドに2人で横になると乱馬は私を抱き寄せて、自分の腕の中に収めるように抱きしめて私にキスをした。




その後はどうなったか…しらないっ!












(続きの需要があれば書きたいです。)


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