DREAM
□逃げと出会い
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「………お前はこれから何処へ行く」
荷物をまとめ、この船を出て行く私に女物のような派手な柄の着流しを身に纏った男は問いた。
「私はこの世界を恨んでない。お前とは考えが合わないからね。出て行くよ、晋助…。」
男は紫煙を空へ吐き出した。
「そォかい。好きにしろ。……俺はこの世界を壊すだけだ、誰も止められねぇ。」
荷物を背負い私は男に向き直った。
「私はこの世界を護りたい。…先生の残したものを、護りたい。
……今までありがとう、私は私の好きなようにするよ。」
「なまえ ……そうか、もう敵か俺らは。」
「敵なわけない、ただ向かう場所が違うだけ…。」
私はかつての戦友に背を向け、この船を降りた。