長編≪リボーン≫

□38話「全員集合」
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大空戦当日の目覚めがよかった梨佳。
隣には雲雀がスヤスヤと寝ている。

『まだ5時…ですか…』

早く起きすぎてしまったと思いながらベッドから降りようとすると―

雲「…ん…梨佳…? どこ行くんだい…」
『起きてしまいましたか…朝ごはんを作ろうかと』
雲「…和食がいいな」
『クスッ わかりました まだ寝てますか?』
雲「出来たら起こしてよ」
『はい ではまた後で…』

梨佳は雲雀の頭を何気なくなでてから部屋を出る。
雲雀はまさか自分がそんなことをされるとは思っておらず、
そのあと寝ることができなかったのはここだけの話である。

十数分経ちご飯を作り終えた梨佳は雲雀を呼び一緒に食べだす。

雲「本当に君はまだわからないことが多いな…」
『何がです?』
雲「こんなに豪勢な朝ごはんを作る人はなかなかいないよ」
『はい?』

梨佳はテーブルに目を向ける。
白飯、みそ汁、焼き魚、納豆、漬物等
旅館で出てきそうな朝ごはんが目の前に広がっている。

『普段はこんなに食べないですよ?』
雲「それじゃあなんで?」
『誰かがいるときの食卓は少し張り切ってしまうようで…』
雲「そうなんだ…それじゃぁ僕がいつでもきてあげるよ」
『それ食べたいだけじゃないですか?』
雲「さぁ どうだろうね…」

そんな話をしながら完食。
少しゆっくりしてから二人は梨佳の家を出る。

雲「居心地よかったよ」
『それはよかったです』

夕方まではなんも変わらない日常のように思えた。
学校へ行き、不真面目な生徒を正していき、雲雀と一緒に応接室で書類の片付け。
梨佳はふと窓際に目線をやる。

『今日で…』
雲「梨佳?」
『恭弥…今日の夜…どうなると思いますか?』
雲「知らない でも負けないよ 僕は…ね」
『本当に変わらないですね…』
雲「君の兄を倒すまでは負けないからね」
『そうですか…頑張ってください』

梨佳は書類に目線を戻す。

時間は刻々と過ぎていき―
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