長編≪リボーン≫

□35話「雲の行方」
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昨日雪戦が終わり次は雲の試合―

『恭弥のところ行きましょうか…』

と準備をしていく梨佳。
体の傷もなく昨日の大けがが嘘のようだった…

『今日何かが起こるんですね…』

梨佳は家をでて少し歩いていくとディーノと鉢合わせた。

『あ…ディーノさん』
ディ「おお!梨佳じゃねーか! 今恭弥ならいつものところのはずだぜ」
『はい』

昨日も恭弥と戦っていたらしくボロボロだった。
ディーノはどこかへ行ってしまう。

応接室につくといつも通りソファーで寝ている雲雀がいた。

雲「梨佳かい?」
『見てもないのに何でわかるんですか?』
雲「足音でわかるよ」
『怖いですね………今日ですね』
雲「なにがいいたいの? 応援なら受け取るけど」
『のんきですね……ちょっと…』
雲「……」

歯切れの悪い梨佳に雲雀は起き上がり―

雲「こっちおいで」
『はい…』

雲雀は梨佳を後ろから抱きしめられるようにして話始める。

雲「僕は負けないよ」
『断言するんですか』
雲「ああ」
『突然惑星が落ちてきたらどうしますか?』
雲「わお…なにそれ そうだとしても僕は負けないよ」
『ヒーローみたいですね』

梨佳はだんだん笑顔になり雲雀もそれに安心する。

雲「昨日は大変だったみたいだね」
『まぁ苦戦はしましたがなんとか…って見てたんですか!?』
雲「遠くからね なに?」
『い…いえ…』

梨佳は昨夜 骸が観覧席にいたのに雲雀は気づかなかったのかそれとも気づいていたが手を出さなかったのか…
冷汗が止まらない状態だった。

雲「何かやましいことでもあるの?」

雲雀は怒っていた。
隠し事をしている梨佳に…

『い、いえ!! 何もないですよ!』
雲「でも…君が無事でよかった」
『っ!』

雲雀は梨佳を再度抱きしめた。
抱きしめられた梨佳は雲雀の腕に手を添えてそのぬくもりを感じる。
静かな時間が流れる―

雲「君は無理をしすぎるようだ…」
『そ、それは―』
雲「だから僕が守るよ これからも…ね」
『………』
雲「さてそろそろ時間だ」
『はい…気を付けてくださいね』
雲「心配は無用だよ 勝つに決まってるからね」
『一応ですよ』

梨佳は何事も起こらないように祈ることしかできなかった。
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