長編≪リボーン≫

□20話「開幕」
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久しぶりに学校に行こうと思い梨佳は制服を着て学校に向かう。
最初に向かうのは屋上だった―

『なにこれ……』

梨佳が見たものはところどころ破損している壁。
地面に血のようなもの…そしてどちらもが傷だらけで立ち続けている姿だった。

『な! こんな状態で続けていたんですか!?』
ロ「お嬢ちゃん 久しぶりだな」
『そんな笑顔でいられる場合じゃないでしょう!』
ロ「それがなー…手が出せねーんだ…」
『…っ 恭弥! 手当します!一旦中止にしてください』
雲「…っ…梨佳…?」
『はい ボロボロじゃないですか…』

梨佳は雲雀に近づき頬に手を添える。
二人のケガの具合をみた梨佳は応接室に連れていく。

ロ「あんたスゲーな」
『すごいことなんて何もしてないです』
ロ「オレが止めたら坊主に狙われそうになったんだ」
『へ? そんなことが…』

梨佳は驚いた 止めなかったんじゃなく止められなかったことに…

『そうなると 先ほどは失礼しました』
ロ「ん? なぜ謝るんだ?」
『怒ってしまいました…』
ロ「あー んなもん気にしてないぜ」
『……ありがとうございます』

雲「梨佳 早くしてよ」
『あっ! 待ってください!』

梨佳は雲雀から手当てをしていく。
包帯や絆創膏やらかなり使った。
ディーノにも同様だった。

そして手当が終わってディーノが口を開く。

ディ「梨佳…ちょっといいか?」
『はい?』
雲「どこに連れていくの?」

雲雀は梨佳を抱きしめて連れていくことを許さないという目でディーノをにらむ。

ディ「少し話があるんだが…」
『恭弥…大丈夫だから 少し待っててください』
雲「……急いでよ」
ディ「すまねぇ」

廊下に出て階段を上る。
梨佳は不思議そうにディーノについていく。

ディ「ここなら大丈夫か」
『何か?』
ディ「今日から争奪戦だろ? んで舞台がここって話であってるよな」
『はい』
ディ「それで恭弥をここから引き離すつもりでいるんだ」
『あぁー…』
ディ「だから当分ここに戻ってくることもできなくなるが梨佳はどーする?」
『私は……今日の試合を見てきます』
ディ「そうか んじゃ 恭弥は任せろ!」
『本当に大丈夫ですか?』
ディ「ああ!」

梨佳はディーノの笑顔にこの人がボスなのがうなずけた。

『恭弥をお願いします』

と言って雲雀のもとに戻る。

雲「お帰り 何もされてないかい?」
『大丈夫ですよ』
雲「それと今までどこ行ってたのさ」
『恭弥と一緒です 修行で少しそこまで』
雲「ふぅーん」
『フフッ』

久しぶりの雲雀に少し照れくささを感じる梨佳。
今日からまたいつまで会えないのかわからない…

『恭弥…大好きですよ』
雲「! どうしたんだい」
『いいえ 言いたくなりまして』
雲「ふぅん 僕もだよ」
『ありがとうございます』

こうして久しぶりの学校を思い思いに過ごしていた―
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