長編≪テニス≫

□2話
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ある日のお昼―…。

幸「あ 忍足さん お昼ご飯一緒にどうかな? 庭で真田たちが待ってるんだけど」
『え? そこまで一緒は悪いので…』
幸「俺たちが誘いたいんだ いつものお礼にね」ニコッ
『……それじゃ…』
幸「うん」

幸村君の第一印象はきれいな子だった。
天才肌のテニスプレイヤーだが努力を惜しまないすごい子だと思った。
それを直接言ったことはないが…。

幸村くんに連れられて庭に行くと真田君と柳君がそこにいた。

真「幸村!」
幸「連れてきたよ」
柳「断ることはできないが85%だったからな」

柳君は計算ですべて見透かすすごい人という印象だ。
勉強で話ができてテニスでも話せるいい人。

『今日は急にどうして?』
幸「いつもこのメンバーで食べてるとなんか話すことが同じになっちゃって」
柳「弦一郎が必ずテニスの話に持っていくんだ」
『なるほど…』
幸「あと俺たち忍足さんのこと知らないからね もっと知りたくて」
『え?』
幸「こんなに話せるのに何も知らないのは俺も嫌だから」
柳「俺もデータ集めになる」
『そのデータ何に使うつもりなんですか?』
柳「とくには」
『そうですか…』

お弁当を広げながら話していく。

幸「へぇ 大阪から? 大変じゃない?」
『全然 親が心配してくるけど』
柳「それはそうだろうな この年で親元から離れるのだ 心配だろう」
真「普通はできぬことだ 偉いぞ!」
『あ…ありがとう…』
幸「でも標準語喋れてるよね」
『これは無理矢理…でも…なれなくて』
柳「口数が少ないのはそういうことか」
『うっ…』
幸「それじゃ 俺らの前だけでも素を出したらどうかな?」
真「幸村?」
幸「じゃないといつまで経っても線を引かれたままだ でしょ?」
『…っ…』
柳「それもそうだな」
『で…でも…』
真「もう俺たちは友達だ! 何も怖いことはないぞ」
『真田君から友達という言葉が出てきたことに驚きだ』
真「何!?」
柳「まぁ急に話せと言われて話せるものではないだろうから気楽に考えることだな」
幸「うん 俺たち待ってるからさ」
『……うん 頑張ってみるわ…』フッ

これを機にこの三人にだけ素を出せるようになった。

部活以外でも部活がない時に一緒に勉強をしたり遊んだりと―…。

その間も立海テニス部はどんどん強くなり 仁王や丸井、ジャッカルなども一年メンバーとして話せるようになった。
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