長編U≪リボーン≫

□77話「2日目」
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ユリアたちが消えたと同時 梨佳に襲い掛かる球針態。

『ロール そんな悲しそうな顔で攻撃しちゃダメですよ? ご主人様の意志が優先のはず』
「キュ…」
『フフッ』
雲「余裕で何話してるの? 感心しないな」
『あなたこそ ここにヴェラを呼び出して私をおびきだそうなんて
まどろっこしいことしなくてもいいんじゃないですか?』
雲「僕じゃない 小さな赤ん坊がしたことさ」
『なるほど それで少し怒っているんですね』
雲「………」
『わからないとでもお思いですか? 3年近く一緒にいるんですからわかりますよ』
雲「ふん 武器を出しなよ」
『危なくなったら出します』
雲「余裕だね」
『あなたは言いましたからね』
雲「……いくよ」

梨佳は雲雀の攻撃を素早く避けていく。
腕を後ろに組んだまま上下左右に飛び決して雲雀に攻撃をしない。

雲「なめてるのかい? 攻撃してこないなんて」
『フフッ いつまでこれが持つか賭けますか?』
雲「くだらないっ」
『あなたは言いましたから…“守る”って』
雲「!」
『傷なんてつけるつもりも戦う予定も この戦いから引かせたいとも―』
雲「……」
『だから私は後ろで腕を組んで腕時計を恭弥の視界に入れないようにしている』
雲「だから何? 僕は戦うためにここにいる」
『私はここで負けるわけにも 恭弥と戦う訳にもいかないんですよ』
雲「……そこまでして君はこの戦いに参加するのかい?」
『ええ ヴェラが望み私たちを誘った それ相応の覚悟が必要だったでしょう
 少人数のメリットデメリットがあるのにそれをする それに私は手を貸したいと思った それだけですよ』
雲「はぁー…もういいや」
『飽きましたか?』
雲「いいや 君には完敗だ 梨佳にだけは敗けていいと思えた」
『!』
雲「僕は梨佳を守ると決めていまだ守れていないことが自分の中でもやもやしててね
  だからこれに参加している梨佳にまた自分が守れなかったら次こそは君を失うんじゃないかとかいろいろ考えた」
『何言ってるんですか ちゃんと守ってくれているじゃないですか! だから私はここにいて傷一つない
 さっきの攻撃も当てる目的ではないですよね それがうれしいんです』
雲「……赤ん坊 僕は梨佳を守るために強くなる」
風「ふむ…ではヴェラ ここは同盟を組むのはいかがでしょう? 人数は少ないですが…」
〈風 いいわよ 梨佳もそれの方が安心だし 守りは多い方がお互いいいからね〉

こうしてヴェラと風チームは手を組んだ―
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