長編U≪リボーン≫

□73話「雪と雲 そして集結」
1ページ/6ページ

梨佳の前に現れた女性は―

『あなたは…初代の…』
「初めまして 六道梨佳さん」
『ロミーナさん…でしたよね』
「知っててくれたんですね」
『はい…でもなぜここに…』
「私はあなたのリングに残った魂です お兄様があそこまでしてしまっている以上私が止めねばなりません」
『お兄様…そっか! D・スペードは!』
「そう…私の双子の兄―」

ロミーナは悲しい目をして笑う。

「これ以上好き勝手してはいけないのです」
『ええ でもどうやって…』
「彼はなぜここにあなたを飛ばしたんだと思いますか?」
『へ?さぁ?』
「お兄様の中で私を殺したと思っていることがいまだに気がかりになっているんです」
『まさか…そんなこと…!』
「お兄様も私を傷つけたくて刃を向けたんじゃないとわかっているのです だから急所を外した」
『そんな…』
「私もお兄様が泣きながら刃を向けていることに気付いたのは目が覚めてからでした」
『………』
「私はお兄様に殺されたことにしてアラウディと隠居して生涯を終えました
 しかしどんな時も血縁者のことだけが頭をよぎり 
後世にまで迷惑をかけてしまうのではないかと不安で溜まりませんでした
現に彼は10代目を殺そうとしている それは止めていかねばなりません」
『ロミーナさん…』
「すみませんが少しだけ体をかしてもらうことはできますか?」
『?』
「私の一言でどうにかなる問題ではないとは思いますが止めねばならない―」
『……』
「ここからもすぐに出れますよ―」

すると隣から音が聞こえて 光が漏れる―
そして―

雲「梨佳!」
『恭弥!』
雲「ケガはないかい?」
『はい! でもどうしてここにいると―』
「アラウディ ありがとう」
ア「君に会うためだよ」
「フフッ」
『初代雲の守護者の…』
「アラウディに彼を連れてきてもらいました もう大丈夫」
『あ…!あの! どうすれば!』
「呼んでくれたらそれでいい 大丈夫」
ア「いくよ」
「はい では―」

ロミーナとアラウディは消えていく。

『……恭弥 ここから出ましょう』
雲「言われなくてもそうするつもりさ 梨佳は後ろにいて」
『はいっ』
雲「ロール いくよ」
「キュッ」

二人はこの空間から抜け出す。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ