相愛smell 2

5話
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貴方side





「......あ...あの......?」





私が轟くんの名前を呼んだ瞬間
轟くんは、立ち止まって何も言わない。


......え...嫌だった...?

...馴れ馴れしい...とか......思う人、いるけど...。


...轟くんも、そう思う人だった...とか。







「...な、なんか...ごめんなさい.......?」







とにかく、嫌な気分にさせてしまったなら謝らないといけない。


その思いだけで急いで謝ったら






轟「......悪い。......普通にビックリした。」






と、いつもの轟くんに戻った?気がして、ホッとする。




「......きゅ、急だったから...?

......ごめん、やっぱそのまま...。」









轟「......いや...。

.........俺も、名無しって...呼ぶ。」









予想外の言葉に、今度はこっちが固まってしまう。



...今...名前、呼んでくれた......。

...私も、呼んでいいってこと...ですか...。





轟「........それで...どう、ですか。」



「......じゃあ......それで...。」





お互い小さな声で、よく分からない確認をする。



チラリと、とどろ...じゃなくて、焦凍を見たら
耳が少し、本当に少しだけ赤くなってて、それを見た瞬間。

1番好きな香りがした。


...この個性、分かりやすいというか、なんというか...。




そっと、焦凍の手に自分の手を添えてみる。






「......な、なんとなく。..........いい...?」




轟「........ああ。」






恥ずかしくなって、焦凍の顔は見れなかったんだけど
添えてた手をゆっくり、繋いでくれた。

















轟「..........名無し。......寄り道、するか?」




「......うん。......寄り道...する。」


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