相愛smell 2

5話
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貴方side




本日決行。






......できるわけがない。






大体、お互い名前で呼び合ってない恋人だって
探せばきっと、どこかにいるはず。


......現に、私たちがそうだし...。






そんなに、無理して“恋人っぽく”しなくてもいいんだけど...。


..............私は...。


...轟くんは...どう思ってる...?

......もっと、恋人同士がするようなあれこれ...し、したい......のかな。



...とか、聞けるわけないんですけど。





ミキはいつも、急に言うから...。




「......急に言われても......。」







轟「......??......香野、何か言ったか?」







隣にいた轟くんは、不思議そうに私の顔を覗き込んだ。





「......いや...何も......。」



轟「......そうか...??」





......隣に轟くんがいるのに、声に出してしまった...。


もしかして、さっきからずっと声に出てたんじゃ...。




......この際、勢いに任せてしまうってのも...。







轟「...そういえば最近、雨降ってないな。」







......よ、呼んでしまおうか...。


...私の方から、名前呼びって...どうなの...。


...え...。


...別にいいよね...?



......“焦凍”って...1回呼んだら...。

...呼んだら...どんな反応するんだろ...。











「......しょ...焦凍......。」











轟「........え....?」




「......ぁ...いや......。」






..................完全にやらかし、た...?


...え...な、なんで固まってるの......。








「......焦凍...って.....呼ぶのは...その.....。

.........っど、どうでしょう......。」








慌ててわざと明るめに聞いてみた。

提案っぽくなってしまったけど...大丈夫かな...。
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