相愛smell 2

2話
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轟side





感情が表情に出て、分かりやすいから
多分そういうのに鈍感な俺でも、気づくことが出来る。








轟「........香野、思ってないからな。」








「................え...?」





俺の言葉の意味が分かってないのか
こっちを向いて、ポカンと口を開けている。




ふと、香野の肩が少し濡れているのに気がついて
カサをそっち側に寄せながら













轟「......香野といる時間、重荷だとか思ってないからな。」














と言うと、頬が微かに赤く染まった。






「...........どうして、またそうやって......。」










轟「......最近、香野の顔見たら...なんとなく分かるようになってきた。」











「................何それ。」





恥ずかしそうに俯いて






「..........私も......分かるようになりたい...。」







と、小さく溢す彼女に、自然と頬が緩んだ。









轟「........そう思ってくれてるのが、嬉しい。」









「...............。」





さらに顔を赤くして、それを隠すように俯いたまま
カサを持つ俺の腕にすり寄る。










「......私、変わったって言われるようになった。

..........多分、轟くんのせいだと思うんですが。」










轟「..........そうなのか?」





聞き返したら
「多分。」と自信なさそうに念を押す。













轟「......けど俺は...。

...今の香野の方が、好きだな。
前の香野がどうだったのかは...よく分からないけど。」













言い終わってすぐに
俯いたままの、香野の反応が気になった。





けど、チラリとそっちを見たら
さっきまで俯いていた顔は上げられていて








「..........そ...そうですか......。」








と、頬を真っ赤に染めて
なかなか、かわいい反応に満足した。
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