相愛smell

8話
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貴方side




風邪で会えなかった間、メールとかたくさんしてたのに
本人を目の前にするとまた変な緊張で声が震えた。







「...お、おはよう。」











轟「...ああ。......おはよう......っ!?」












挨拶を返した後。


なぜか轟くんは、ビックリしたのか目を見開いて
私から顔を背けた。







「......??......轟くん?」







不思議に思って、声をかけたら





轟「..........ぇ、あ、ああ。...悪い...。」





と、ハッとしたように私に向き直った。


















それから、風邪のこととか轟くんの学校の話とかをしながら電車を待っていたら











轟「......香野。
こういうの...女子に聞くのはどうかと思うんだが...。」










「......?......うん。」





なんだか改まって言う轟くんに
こっちも緊張して、スカートの端を強く握る。


聞こうかやめようか迷っていたのか
少し考えた後、轟くんは気まずそうに私に言った。















轟「......洗剤か何か......その、変えたか?」















「..........。

......え..............っっ!!?///」









急に聞かれた質問に
一瞬固まった私の頭が、都合のいい解釈を1つ浮かばせる。





......もしかして、香りの個性...反応した!!?






考えてもなかったタイミングのせいで
質問への言葉が出てこない。


たしか、洗剤変えてない...!



そ、そうそう...変わってないって言わないと...!










轟「...あ...いや悪い。......忘れてくれ...。」












「..............変えてないよ。」












轟「..........え。」







轟くんの言葉を遮って答えてしまった。




慌てて謝ろうとしたら、私より先に












轟「..........そうか。」












と、また何か考え込んでしまった。
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