相愛smell

2話
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貴方side




放課後。




私は、駅でみんなと別れてから
1人で近くの花屋さんに向かっていた。











今朝、あの人からした香りは
...どことなく“花”を思わせた。






もしかしたら、花に、何か意味があるんじゃないか。






......なんて。


たぶん、意味は無いけど
似た香りの花があるなら、知っておきたい。









「...母さんは、花好きだし...買って帰っても問題ないはず。」









今の時点で、花だらけの庭が頭に浮かんで

これ以上、まだ花を増やすか...??

と、一瞬、葛藤したけど
この際ちょっとくらい増えても分からないと思うことにした。



実際、ここ最近で増えてる気がするけど
正直分からないから...そういうことだろう。




















花屋が目の前に見えてきたところで。




多少、弱いけど
今朝と同じ香りが広がってきた。











「......同じだ......。

......やっぱり、似た匂いの花でもあるのかな...。」










心なしか少しワクワクしながら、花屋に入った私は









「..............え...。」









ビックリして、固まってしまった。














?「......!!......今朝の...。」














店に入ってすぐのところで
赤と白の髪が、私が開けたドアからの隙間風に揺れた。







「......なんで......ここに...。」






なんでここに、あの人がいるの...?



ここまできたら、もう...全てが運命に思えてきた。










?「......少し...意見を聞いてもいいか。」









視線を花に戻して、軽く手招きされる。






彼の隣に立つと、そこには何色かの花が
すでに束になって、置かれていた。



......これ...飾る花だ......。



育てるタイプじゃなくて、部屋とかに置いて飾る用の花を選んでいた。






チラリと隣を見ると
眉間にしわを寄せて、かなり真剣に選んでいる。









..........彼女...とかに渡すのかな...。










ミキの言うとおり、この人は...かっこいいと思う。




......彼女がいないわけないじゃん...。




...その場合、私はどうすればいい...?







心の中で聞いても、誰も答えてくれない。



花に視線を移して、もう1度、彼の方を向いたら
















?「母の見舞いに行くんだが、どの花がいいか...全く分からない。」
















綺麗なオッドアイが、また私を捉えて離さなかった。

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