心の容量

6話
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貴方side





「......ん......。....轟、くん?」





黒い霧のような敵に攻撃?を受けて
思わず、目を瞑ってしまった。




慌てて開くと、さっきまでいた場所じゃなくて。







「.........ここ、土砂災害の.......?」







轟「......さっきのモヤに飛ばされた。
......“ワープ”か、あいつ......。」





私の前に立つ轟くんは
私の方を見ずにずっと前を向いていて
それが不思議で、轟くんの横に立つと






「......これ、全部......敵......!?」






目の前には15は余裕で超える数の敵。





余裕があるのか、ニヤニヤしながら
こちらを見る。







轟「...見る限り、ここに飛ばされたのは俺ら2人か。」





「...ど、どうするの!?」





妙に冷静な轟くんに
どうやって、この状況を回避するのか聞いたら







轟「......哀瀬、地面から足を離すことは......可能か......?」







なんて、真顔で聞き返された。







「................!?

...か、可能じゃないよ...!?」







轟「................そうか。」






少し残念そうにする轟くん。





いやいやいやいや。



普通に考えて、不可能だよね。



だって、それってさ
空でも飛ばない限り無理だよ。





というか、地面から足を離すって...。







「......轟くん、何する気...っえ!?」







私の質問を最後まで聞くことなく
轟くんは、私を抱きかかえた。




轟くんの急な行動に
びっくりしない訳がない。





固まる私に

落とさないけど、一応掴まれ

ってものすごく冷静に言う。







いや......ぇ......え???







掴まれ、って...どこに??




そ、それより、この状況...!






お、お、お姫様だっこ...!?






待って、待って、待って!



お姫様だっこされるの、初めて...!




どこに掴まるの!??





完全にパニック状況の私に
轟くんは、落ちなければいいから
と、掴まることを再度勧める。




どこ?どこに??...どこに!??





手をウロウロさせた結果
少し距離が近くなるし間違ってそうだし
などと不安になりながらも、轟くんの首に腕を回した。







私が腕を回した時には
敵は、かなり距離を詰めていた。



でも、なぜか恐怖は感じなかった。







轟くんは、私が首に腕を回したのを確認して









轟「......ちょっと待ってろ。

.............................すぐ終わる。」









と、優しく笑った。






そのわずか、数秒後。




私の目の前は一面、氷の世界になった。

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