けんかップル

5話
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貴方side





涙が頬を伝っていった後。





私は、どうすればいいか...分からなかった。










勝己が泣くところなんて
ほとんど、見たこと無かったから。









オロオロしてたら、勝己が突然、私を抱きしめた。


抱きしめる力が強くて苦しかったけど
私も、勝己の背中に腕を回す。




「..........勝己?」





爆「.............んだよ...。」





「......え...?」







耳元で、低く響く勝己の声に
ドキドキしながら、次の言葉を待つ。

待っていると、ボソッと呟くぐらい小さな声がした。














爆「......じゃあ...。

...どうすれば...お前は完全に、俺のもんになるんだよ...。」













「......そ、それって、どういう......。」







私が言い終わる前に
勝己は抱きしめていた手で腕を掴んで、私をベッドに座らせる。





2人で向き合って座ったまま、勝己の顔は俯いてて見えない。


何か、声をかけようとしたら









爆「......っ、ふざけんな!!!

俺が、どれだけ我慢したと思ってんだ!」









そう、大きな声で言って、顔を上げた。














爆「...お前が怖い、っつうから...怖くならないように考えて!

...少しでも我慢できなくなりそうになったら
雰囲気とか、全部ガン無視してその場で止めて!!


てめえのことが好きじゃなかったら
ここまで、自分抑えてまで一緒にいねえよ!!!」















ポカンと口を開けたまま、固まっている私に
勝己は、もう勢いが止められない、ってくらい...また大きな声で言った。

















爆「...それなのに...てめえは......!
わざとか天然か知らねえが、いちいち煽ってきやがって!!

毎回、毎回、それに焦ってる俺は...バカみてえじゃねえか!!」

















...煽ってる...つもりは、なかったです...。






ケンカに対しては...煽ってたけど...。


..........ここでは...煽ってないです.....。











勝己は、私の腰に手を回して
自分の両足の間に、閉じ込めるみたいに抱き寄せた。


そして、ゆっくり頭を私の肩の上に乗せる。














爆「......焦ってく度に...かっこ悪いとこばっか...見せてんだよ...。」















初めて聞いた勝己の本心は
私が思うより、ずっと...ずっと。






















..........私を、大切にしてくれていた。

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