相愛smell

10話
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貴方side









轟「........それは、麗日のことだな。」









一緒にいた茶髪の女の子について聞いてみたら
当たり前だけど、知らない名前が飛び出してきた。




「..........うららか?」









轟「俺のクラスメートだ。

香野の話をしたら、友達になりたいと言って...。」









それで今日、私と花屋さんに行く...という内容のメールを
たまたま麗日さんに見られてしまい

ならば、ついて行く!!

と、半ば強引について来たらしい。




..........え。


...じゃ、じゃあ...あのふわふわな髪の男の子は......。










轟「香野に声をかけてくれたのは、緑谷だ。

緑谷は、なんと言うか......麗日の付き添い、みたいな...。」










その2人を待たせている、と
轟くんは私が混乱しないように『友達だ』と、再度言ってくれた。












「...私の、完全な......勘違い......。」













...その、勘違いで...轟くんは、雨でびちゃびちゃに...!








「...ごめんなさい。

......勝手な勘違いで...逃げたりして。」





轟「..........??

...まあ、緑谷から話を聞いて、だいたい分かったから大丈夫だ。」







緑谷くん、と言う子が一体どう説明してくれたのかは謎だけど
轟くんは私が走って逃げた理由を把握していた。












轟「......俺自身、香野のこと好きだって自覚も...あまりなかった。」





駅までの道を歩きながら
轟くんは、申し訳なさそうに話す。











轟「...けど、風邪引いて会えなくなって...なんつーか、モヤモヤした。

久しぶりに会ったと思ったら、その時に...........好きだって..........気づいた。」











今朝、会った時にいきなりビックリした顔をしてたのは
..........そういうことだったんだ。













轟「...最初、ガン見してて悪かった。

......正直に言うと...目ぇ、離せなくなってた。......香野から。」













香野が声をかけなかったら、ずっと見てたかもしれない。







そう言って笑う轟くんに
私は、熱が集まった顔を俯けた。










“ある日、急に、気になってた人から目が離せなくなるようなものだからな”











父さんの言っていた言葉が浮かんで
さらに、顔が熱く感じる。






















................同じ、だ。












...じゃあ...あの時、轟くんは......私を求めて......?
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