相愛smell

6話
3ページ/3ページ

貴方side





父さんが出て行った後。





静かになった部屋で、さっきの言葉について考えた。












「..........全部、まとめて......。」













......全部って...個性も、性格も、外見も......全部??



全部まとめてってことは、その人のすべてを大事に想ってる...ってことで...。





けど...父さんが、私や母さんのことを想えるのは
母さんの個性があって2人が出会ったからであって......。





母さんの個性が無かったら
私は今、産まれてここに生きてない。










「...少し考える時間が欲しい...とは思ったけど...考えすぎ...?

...頭...パンクしそう。」














..........つまり、全ては繋がっている。















......私と轟くんも...そうなるのかな。
























「..........あれ...?」






熱を測りながら、もうすぐ、ミキからメールが来る時間だと思って画面を開いたら
さっき、6時より少し前くらいの時間に轟くんからメールが来ていた。


いつも、というか...風邪を引いてからは
朝の電車の時間帯しかメールしないのに...。






不思議に思いながらも開いてみる。











『今、学校終わった。

メール、朝だけの方がいいか?
香野がいいなら、もっと話がしたい。』












..........ぇ......。






これって、朝以外でも...って解釈で合ってる...?


だったら、それは
私にとって嬉しい進展なんだけど...。












『学校、お疲れ様。

ありがとう。
私ももっと、轟くんと話がしたい。』












メールを送信してすぐに、体温計が小さく鳴った。





「..........あ。」





この4日間、ずっと38度代だった熱が36度になっている。
















「................熱...下がってる......。」


次の章へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ