相愛smell

5話
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貴方side








轟くんは、私の運命の相手ではないんじゃないか。








彼と一緒にいる時間が少し多くなった中で
自分なりに、仲良くなれたし、距離もそこそこ縮まっていると思う。


お互い、会話する口数も随分と増えたし
自分の学校や、身近な出来事など、話の内容も広くなった。




それに、私の個性特有の“香り”もしっかり働いている。

轟くんの近くにいると、たしかに
あのふわふわとしたお花畑のような、心地良い香りがする。












ただし、私にだけ。


















「..............何も、変わらない。」











リョ―「.......あの名無しが、翻弄されている。」






「........うるさい。」






おもしろいものを見ているかのように
ニヤリと笑うリョ―の肩を、軽く叩いた。










マメ「...一緒の電車にしてから、もう2週間が経つのにねー。」











隣で、マメも不思議そうに首を傾げた。




2週間。




2週間、同じ電車で登校して
仲は良くなったものの、恋愛としての進展はない。












「.....................恋愛先生。」













リョ―「......お。

...名無しが、ついにヘルプを求めた。」




ミキ「..........リョ―、からかいすぎ...。」




以前から、私と同じく恋愛系に関して全く興味の無かったリョ―は
未だに、私が恋をしているという状況自体、よく分かっていないようだった。


つい最近までなら、私もそっち側だったのに。













マメ「......うむ。


...押してダメなら、引いてみよ!!!!!」













「..................は...?」





リョ―を睨んでたら、マメが突然大きな声で言うから
なかなか厳しい返しをしてしまう。


ごめん、と謝ると
本人はあまり気にしていない様子で











マメ「......これは...!

...私の中では、ダントツの必勝法なの!」










と、自信満々に言いきって
さらに、立ち上がってグッと拳を握った。












ミキ「...................恋愛先生、頼りになりすぎ...。」





リョ―「..........俺、これ聞いてて大丈夫?」





ミキ「...女心が分かるようになるんじゃないの?」








リョ―「...........何それ、なんか怖い。」







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