相愛smell

3話
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貴方side




考えても、特に何も浮かばないまま
日曜日の夜になってしまった。






...........何してんだろ......私。









この土日は、本当に酷かった。




何もしないでいると、轟くんのことが浮かぶ。


...今、何してるんだろう。

雄英高校だから、1人でトレーニングとかしてるのかな。
......たしかに、結構、筋肉ありそう。


......あれで筋肉まですごかったら、それこそ最強なんじゃ......。





大抵、この辺まで考えて、ハッとする。





自分の煩悩(?)をかき消すために宿題に手をつけても
気がついたら、轟くんがくれた花を見ていた。


故意的にか、たまたまか。


分からないんだけど、花の赤白が
ちゃんと、彼の髪と同じ向きになるように置いている辺り

......もう、本当にどうしようもない。

















中学の時。



ある男子が告白の時に、こう言ってくれた。









「...はじめ、告白する勇気も無くて...

でも、頭の中では...ずっと、先輩のことを考えちゃってて...!!」









その子の性格が大人しそうな感じだったのもあって
その時は、その発言にビックリして




「...それは...どうも、ありがとう...?」




なんて、曖昧な返しをしてしまったのを
今更ながらに、なかなか最低な返しだったのでは...と後悔した。









「......ごめんなさい。

...あの時の名前も知らない、後輩...。」









今なら、私。


...君の気持が分かるよ。





だって、ずっと轟くんのことを考えている。









なんなら、今朝はついに、轟くんの夢まで見た。









夜になった今でも、鮮明に覚えてる。



私は、ここ...私の部屋で
轟くんにベッドに押し倒されて、こう言われた。













轟「...名無し...。

...どうしようもないくらい...好きだ。」













...........って。















..................私...ヤバくない...?















こんな夢見るとか、ヤバくない...?






朝起きて、さすがに引いたわ。


その夢に対して、満更でもない気持ちだった自分に
さらに、引いたわ。














「..................重症だ。」













...恋したら、こんな変態みたいになるの...?


もう、怖いんだけど...。






...それとも...。





...これも、個性のせいだって...思っていい?


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