相愛smell

3話
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貴方side




家に帰って、先にお風呂を済ませた。




母さんに、あまりお腹がすいてないことを伝えて
轟くんにもらった花を机の上に置いて、しばらく見つめる。






......明日、会いに行くって言ってた......。






明日から休日だし、休みの日に会いに行ってるんだろうな...

...なんて考えながら、軽く花に触れた時。




急にミキから、電話がかかってきた。












ミキ『名無しー!!

お花、見に行って何か分かった?』








「あの人に会った。

飾るように、花、選んでた。」








ミキ『...え!!?
いや、待って、待って!!

あんた、サラッと言いすぎだって!』





電話越しでも分かるくらい、ミキは慌てて早口で言う。


私は、今日花屋さんであったことを
全部そのまま、ミキに話した。



名前を言おうとしたら

それは、ちゃんとくっついたら紹介してほしい

と、断られてしまったけど。









ミキ『...じゃ、じゃあ...なに...?

...名前まで教えてもらって、仲良くなったってこと??』









「..........随分、簡潔にまとめたね。」




ミキ『.......やるじゃん!!!』





テンションがかなり上がっているのか
ミキの声は、いつもより高くて、少しだけキーンとした。








ミキ『...やっぱ、これって運命だわー!!

その個性、効果ありすぎ!!』







轟くんの方は、私から何も匂わないっぽいから
たぶん、運命の相手ではないんだけど...さすがに、それは言えなかった。








ミキ『...そう言えば、名無し。

あの人、電車通なの?』












「.........らしい。

........聞いてみたら、同じ電車だった。
...時間は、私たちがいつも乗ってるやつの1本後だけど。」











ミキ『......んー...。

...じゃあ、あんた来週の月曜から、1本後のに乗りなよ。』




「......え...なんで......。」






ミキ『...もっと仲良くなるために、決まってるじゃん!

1本後でも、時間的には余裕なんだから!』






「...そう、だけど......。」





ミキの提案には、すぐに「うん」とは言えなかった。

高校に入ってから、4人でいつも、一緒に登校してたから。



それを分かってか、ミキは嬉しそうに小さく笑って











ミキ『......話聞く限り、名無し...。

..........その人のこと、好きになったんでしょ?』











と、言い切った。





「..........え......!?」





すぐにバレてしまったことに、動揺してたら
今度はクスクスと笑う。











ミキ『......だったら、友達として...叶えてあげたいもん。

...あ...親友、でもいいのよ??』












「...........ありがとう...。」





ミキ『........ん。

...じゃあ、おやすみ!......また、メールするから!』





「..........おやすみ。」












..........だから...ノり気すぎるんだってば...。




でも......気持ちはすごく、嬉しい...。

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