相愛smell

2話
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貴方side




2人で、勧められたイスに座って
近くの花を、ぼんやり見つめていた。









「...あの...今朝は、ありがとうございました。」









あの時、いろいろ同様しすぎて
きちんとお礼が言えてなかったことを思い出した。







?「...いや...俺は、定期を拾っただけで...。」













「......手...差し伸べてくれて...嬉しかったです。」













しっかりと目を見て言うと
ぎこちない返事と共に、顔を逸らしてしまう。


顔には出さないけど、少し照れたように
首の辺りを掻く姿に...思わず笑ってしまった。





今日、初めて会ったこの人と
ここまで仲良くなれたのは、運命なのかもしれない。





...けど...香りについても、この人は何も言わないし
きっと...何も感じてない。








その辺を踏まえたら、個性面での“運命の人”じゃ...ないのかもしれない。








それでも...私は...今朝...。

















..........手を差し伸べてくれた、この人に......恋をした...。

















「...あ...。

...お名前...聞いても、いいですか...?」









轟「...そう言えば、言ってなかった...。


...轟、焦凍だ。...高校、1年。」









......轟...焦凍...って名前だったんだ...。











「......轟、くん...。
...同い年だったんですね...。

...香野、名無し...高校1年です。」












轟くん、大人っぽく見えるから
同い年なのには、さすがにビックリした。








轟「...同い年なら、敬語はいらない。

...香野、普通に話してくれた方がいい。」








「............はい...じゃなくて.......うん。」











小さく轟くんが頷いた時に
店の中から、店員さんの呼ぶ声がした。



......花...もう、出来上がったのか......。








「...あ...私、払ってくる...。」








立ち上がって、店の中に入ろうとしたら
















轟「......いや、俺が払う。

...選んでくれた礼だと思って、もらってくれ。」
















そう言って、外で待つよう...言われてしまった。


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