相愛smell

2話
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貴方side





ふわふわと広がる、やさしい香り。





香水とは違った匂いで、濃くなくて
太陽の光に当てたみたいに、心がぽかぽかする。




今日、初めて会った人なのに。












..............ひどく、安心する。












ミキ「...へえ...そんな、いい匂いなの...?」





弁当の中を見て、何から食べようか箸をうろうろさせていたミキは
なんだか感心していた。







「.............思ってたより、すごい...。」







......出会ってしまった。



あっさり、本当にあっさり出会ってしまった。





きっと、小説なら、本の真ん中くらいで出会うはずの人に
初っ端の、2、3ページで出会ってしまった。








...3年なんて、探すには短すぎた。








もし、仮に私があの人と付き合うことになったら
これから先、ずっと一緒にいることになる。



運命の人、だなんて言うけど
どこをどう取ったら運命なのかが、分からない。




......気が合うの?



......好みが同じなの?



......一緒にいて、1番楽しい人?



......自分の全てを、打ち明けられる人?



......それとも、単純に......。















..........体の相性..........?















ミキ「...というか、あの赤白の髪の人...。

...めっちゃ、イケメンだったよね。」






弁当をじっと見つめて考えていた私に気を遣ってか
ミキは、リョ―に向かって言った。









リョ―「.........なんで俺に聞くんだよ...。」





ミキ「...私より身長高いんだから、よく見えたでしょ。」







リョ―「...関係なくね...??

...まあ...あっちも結構、身長高かったぞ。」






マメ「...リョ―ちゃん、何cmだったっけ?」






リョ―「...んー...?

......180の手前くらい、かな。」







......そう言えば、立ち上がった時
リョ―ほどじゃなかったけど、身長...高かった。












「...たぶん、あの人も170超えてると思う...。」











ミキ「...え、最高じゃん...!

それで個性まで強かったら、どうする!?」







「......どうもしないよ......。」











...というか、どうにもならない。















どうにかなるなら、今朝、会った時点で...どうにかなってたはずだから。

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