心の容量

6話
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轟side



敵が現れ、連絡のためのセンサーが
役目を果たさなくなった。



敵の数は多い方なんだろうけど
相澤先生の戦い方が、多対一を得意とするものらしく食い止めてくれていた。





そのうちに、13号の誘導で避難する。





全員、入り口に慌てて走っていく中
哀瀬はひとり、立ち竦んでいた。






敵の方に、恐怖...というよりは
怒りのような眼差しを向けている。






轟「...哀瀬、お前...本当に大丈夫か。」






「......大丈夫......大丈夫。」





視線を敵から離すことなく
まるで、自分に言い聞かせるかのように
何度も何度も、“大丈夫”と呟く。






飯「...は、早く避難を...!」







黒「......させませんよ。」







とりあえず避難はした方がいい。




そう判断して、哀瀬の腕を掴み
入り口の方に振り返った時。




体全体が、黒いモヤのような敵が
先頭にいた13号と入り口を塞ぐように立っていた。







“敵連合”と名乗ったそいつらの目的は
オールマイトを殺すこと。




黒いモヤのそいつの役目は
俺たちを、ここから逃さないこと。





ペラペラと喋るその様子から
ある程度の余裕があると見た。




けど。







それだけ聞ければ、十分だ。







さっさと氷漬けにでもして
外との連絡を取るべきだと思い
モヤに右手を向けると





「..........ダメ..........!」






哀瀬の腕を掴んでいた手を
逆に、引っ張られた。




轟「.........哀瀬..........!」




止められた俺と違い
前の方にいた爆豪と切島は
すでにモヤに攻撃を仕掛けていた。







13号「ダメだ、どきなさい2人とも!」







13号が叫んだすぐ後。




爆豪と切島が後ろへ後退する前に
俺らを包むように、黒いモヤが広がる。





「「................!!?」」







黒「.........散らして........殺す!」







広がるモヤの中。


どこからか、そう聞こえ
哀瀬の腕を引っ張りながら後退する。




...が、少し遅かったようで







緑「.........み、みんな........!」







緑谷の声を残して、黒いモヤで
目の前が真っ暗になった。

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