心の容量

1話
1ページ/5ページ




いつの代にも、ヒーローは必要だと思う。



サッと現れて、困っている人を助け出して
喝采を浴びながら、去って行く。



かっこいい。







私の最初のヒーローは
父と母だった。




綺麗な“歌声”でみんなの安眠を守る母と
誰も追いつけないような“スピード”で敵を倒す父。




テレビの画面越しに
2人が活躍するのを見て
夢を持たずにはいられなかった。


自分も、将来2人と一緒に。


あの喝采を浴びて。




そう、信じてやまなかった。








だから。







私を庇って、いなくなるなんて
思わなかった。


2人共、負けるなんて
考えたことも、なかった。










「............名無し...........。

......夢は、必ず...追い続けなさい...。


........憧れてくれて........

...........ありがとう...........。」










母の声が、綺麗な、声が。





ずっと、ずっと。





私の頭に、響き続ける。













「...憧れてしまって...。


..........2人の邪魔して...........

........................ごめんなさい。」

次へ
前の章へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ