心の容量
□1話
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いつの代にも、ヒーローは必要だと思う。
サッと現れて、困っている人を助け出して
喝采を浴びながら、去って行く。
かっこいい。
私の最初のヒーローは
父と母だった。
綺麗な“歌声”でみんなの安眠を守る母と
誰も追いつけないような“スピード”で敵を倒す父。
テレビの画面越しに
2人が活躍するのを見て
夢を持たずにはいられなかった。
自分も、将来2人と一緒に。
あの喝采を浴びて。
そう、信じてやまなかった。
だから。
私を庇って、いなくなるなんて
思わなかった。
2人共、負けるなんて
考えたことも、なかった。
「............名無し...........。
......夢は、必ず...追い続けなさい...。
........憧れてくれて........
...........ありがとう...........。」
母の声が、綺麗な、声が。
ずっと、ずっと。
私の頭に、響き続ける。
「...憧れてしまって...。
..........2人の邪魔して...........
........................ごめんなさい。」