相愛smell
□9話
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貴方side
どうして、ここだって分かった...?
これも、私の個性のせい?
轟「......何かあったのか?」
お願い。
そんなに、やさしく言わないで。
涙、止まらないから。
止め方、分からないから。
轟「......俺は、助けてやれないことか?」
お願い。
そんなに、やさしくしないで。
もっと、好きになってしまうから。
轟「..........また...風邪引くぞ。」
私は、ただ...。
「.......................好き......。」
轟「...............え...?」
轟くんの声に、思わず顔を上げる。
ビックリしたような表情のまま固まってる轟くんを見て
自分の言った言葉に、思考が停止する。
轟「........今...なんて......。」
なんて、言った...?
................好き、って言った。
「......え...ぁ......///」
あまりの恥ずかしさに、顔に熱が一気に集まる。
...私、いま...無意識に、好きって....!
轟「..........俺は...。」
「.........〜っ!!///」
轟「.......香野!」
もう、どうしようもなく恥ずかしくなって
轟くんの顔も見れずに、急いで立ち上がって背を向けて走る。
ありえない。
こんな告白、ありえない...!
...どうしよう...絶対、困ってる...。
私が轟くんの立場でも困る。
あんなに急に“好き”って言われたら...。
「......っ!?」
走り出して、まだ数秒しか経ってないのに
もう追いつかれてしまったのか、腕を引かれて後ろに倒れ込む。
地面に倒れてしまうことを覚悟してたら
腕を引かれてすぐに、肩を掴んで支えてくれた。
追いつかれてしまったのなら、もうどうしようもない...と
逃げ出してしまったことと、急な告白を謝ろうとしたら
「......あ...あの......。」
そのまま後ろから抱きしめられて
言葉はともかく、身動きが取れなくなった。
轟くんの突然の行動に、頭が完全にショートして
もう、何がなんなのか訳が分からない。
抱きしめられたまま、固まってる私に
轟くんは、小さな...本当に、とても小さな声で言った。
轟「.....................俺も好きだ。」