コースター//(カレー)

□7.
3ページ/8ページ


 行き倒れてたのに?
もしかしてこの前の事件のことでどこかから報酬でも出たのかな。

縞は困り顔で説明した。
「いや、貯金をね、してたんだけど。キャッシュカード? がよくわかんなくて、最近理解しました! お金あったし!」

そうですか……

「じゃ、よかった。家賃とかはいいから、またね」

僕が言うとなぜか服の襟を掴まれる。
今日は普通にワイシャツだから、つかむとこがあんまりなかった。


「寂しいよね。レイちゃんの大好きな俺と離れ離れで寂しいよね」

なんだこの人。子犬のような目でこちらを見て聞いている。

「僕の大好きな縞と離れるのは寂しくても、別に会えないわけではないから平気だ」

そいつは泣きそうな目でこちらを見た。
なんだよ……!

「俺は寂しいーっえーん」

放っておいて、さて宿題でもしようとノートを広げる。
縞が襟をぐいぐい引いてくる。
ああもう!

「何がお望みで」
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ