コースター//(カレー)

□7.
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 奇妙な人間が僕の部屋に住みついてしまい一週間経った。そんな頃だった。

帰宅して夕飯の支度をしようとにんじんやたまねぎを並べていたところで。
その話題。

アパートの狭い薄ぐらい部屋の中。
キッチンのながしでカレーライスの下ごしらえ中の僕の後ろから、部屋で漫画を読んでいた縞が言ったのが、家を買いました。

「………………」

えーと。
思考停止。
シンクにじゃがいもが、ごろろろろろと転がっていく。
にんじんはごろんと一周して止まる。
たまねぎはごろろろろ、としばらく転がったがじゃがいもより早く停止した。
コントなら僕も椅子からずり落ちるべきだったのだろうか。このじゃがいものように。



 僕は呆然とそれを聞いて、数秒後に「…………え?」とやっと言えた。
夕方7時37分。
季節は夏。
っていうか夏休み。
空はまだ明るい。
麦茶を冷蔵庫から出して僕と縞のぶんをテーブルにおいて、一呼吸。

えーっと?

「なんだって?」
「家かいました。お世話になったねー」

縞は誇らしそうだ。
ええっ。
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