コースター//(カレー)

□4.ジャージ
1ページ/4ページ


 縞のこういうときに関する頭の回転は異様だった。うう……。少し自信があったはずなのに、なんだか押され気味。
折れたのはこっちでした。
「お前、一般人にしてはやけに早いな」
解いてる間、縞がしきりに褒めてくる。
話しかけながらも手が止まってない。
っていうかもはや紙すら見てないことがあるのに、間違ってる感じはしない。
なんだこの人。
なんなんですか。
うわあああつらい!
早く!
早く終わりてえええ!
心の中はもはや半泣きである。
握っている鉛筆を投げ出したくなるのをぐっとこらえて、下を向き、印をつける場所を探す。
「うれしく、ないです」
「誉めてるんだから。わーいって言ってもいいんだぜ?」
言えるかい。




「あなたの横で解かされるプレッシャーと今闘ってるんで、話しかけないで」
「つまんねーのっ」

縞はいつのまにか作業をやり終えたらしい。
退屈なのか、僕のパーカーのフードをいじって遊んでくる。
ああああ集中させて。 本当に泣きそうになる気分だったが、耐えて鉛筆を握りしめ、やがてどうにか、僕に任されていたのこりの分の仕事も終了した。

し、死ぬかと思った……
縞のやり方に合わせて爆弾の無い箇所を最初にざーっとしるしをつけて、あると推定される箇所には黒い星を描いた。
(ちなみに本来の僕と解き方が真逆。なので手こずった)

さくっと鉛筆が最後のしるしに向けて滑り終えたのを見届けると、手を離す。
鉛筆がごろごろ転がって床に落ちる。
僕は解放された。やったー。
次へ
前の章へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ