コースター//(カレー)

□2.
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2.縞



 弁当屋の弁当より値が張るが、もっと量と栄養のあるものでもと思った。
しかし財布にあるのは1000円だ。
もういいや食えりゃいいだろ、とりあえず弁当屋の側のスーパーに行くと、200円前後のカップ麺を二つ購入して戻ってくる。

ついでにお湯も入れてきてやったのでその場で食べられる仕様だ。
飢えた授業帰りの学生(ただし少しリッチな人たち)はよくこうして、店の裏とかで食べている。
 前から思っていたけどアニメや漫画のキャラクターって買い食いしすぎだろ。
僕が小さいときはせいぜい安めの駄菓子をつまむくらいだったぞ。

近くのバス停に入ると、戸を閉めて、割り箸とカップを渡した。ポケットから出した携帯……ではなく歩数計の時計表示を眺めて時間を計る。

縞さんは、ほぉー、と隣で呆けたようにカップを眺めていた。




「めずらしいですか?」

 縞さんは、こくこく、と頷いて言う。

「ほわゎ、これが食事か。時代はかわったなー」

「あなたいつの時代からいないんですか」

鉄球が山荘につっこむよりも前だろうか。

「石器時代」

真顔。キリッ。

「マンモスって美味しいですか?」

「ああ、300円前後のばら肉を買って、鍋でよく食べているよ」

「それ豚肉とかでしょ!」


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