パラレルワールド(橋本奈々未バージョン)

□AnotherWorld 第2話
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私と私、橋本奈々未の彼氏(自称)は、少し落ち着く場所でお互いの事情を話し合った。


二人の出した結論は、私がアイドルのオーディションを受けなかった世界に来てしまったということだった。
そして目の前にいる男性はこっちの世界のもう1人の私の会社の同僚であり彼氏さんでもある、苗字名前さんというそうだ

橋本「どうしよう・・・・・」
今までと違う人生って言われても

それに、私の卒業ライブ・・・・・

『今日のデートは中止しよう。今日は家に帰って、ゆっくりしな。明日になったらもとに戻ってるかもしれないし』
橋本「あ、うん、ごめんね」
折角の記念日だったらしいけど、彼の言葉に甘えることにした。


私の家って、この世界だとどこだろう?
そう思ってカバンの中身を確認する
免許書が出てきた
そこにある住所は、私が元居た世界の住所と一緒だった。

部屋に戻り、眺める
やっぱり、ちょっと違う
家具とかは一緒だけど、名前君との写真がある
あと・・・・・

乃木坂に関するモノが一切ない

橋本「本当に、私、乃木坂のメンバーじゃないんだ」

ソファーに座る

橋本「戻れるのかな?・・・・・ダメだ、弱気になってどうする!戻れる、戻れる」
不安を口にした途端、怖くなった。
私は自分に戻れると言い聞かせた



翌朝、目が覚めた私は、ベッドに座りスマホで乃木坂46の公式ホームページを確認する

橋本「・・・・・ない」
メンバー一覧に載ってなかった

私はスマホを横に置く

橋本「どうしよう・・・・・」
そんなこと言ってもどうにもならないのだけど、思わず言葉が口から出る

その瞬間、スマホが鳴る
橋本「わっ!?」

ビックリした

スマホには【名前】の文字

橋本「もしもし?」
『奈々未? どう、戻った??』
橋本「ダメ・・・・・戻ってない」
『そっか』
橋本「どうしよう」
『とりあえず、今日は休め』
橋本「え? 休む?」
『いや、会社休めって話』
橋本「そっか、こっちはこっちで私の生活があるのか」
『会社の方は、何とかしてみる』
橋本「え?」


俺は、会社に早めに出社して奈々未が所属する部署に行く
そこにちょうど俺と奈々未が付き合っていることを知っている女性の同僚がいた

『ちょっといい?』
同僚「どうしたの? 珍しいじゃん」
『今日さ、奈々未って休みじゃん?』
同僚「うん、みたいだね」
『実は、昨日のデートで俺がちょっとはしゃいで連れ回した結果なんだよねw』
同僚「なにやってんの?w」
『でさ、明日は出社するかもしれないけど、体調が悪いの続きそうでさ』
同僚「どんだけ、無理させたの!?」
『ま、まあ、そこはw で、責任感じててさ、明日から余裕がある時に仕事手伝おうかなって思ってて』
同僚「奈々未、そういうの嫌がらない?」
『だから、本人から聞けないんだってw ちょっと今奈々未が任されてる仕事教えてくれない?』
同僚「まあ、いいけど・・・・・」
『サンキュー、助かる』


俺は奈々未の今任されている仕事を聞き出す
今は違うが昔、奈々未と同じ部署だったので、概要を聞けば何となく作業内容は分かる


自分の部署に戻り、仕事を始める
少し余裕がある時に、奈々未の仕事を少し纏める
全部は出来ないので段取りとか纏めておく

あとは・・・・・
そっか、あの奈々未からみたら部署の同僚は全部他人なのか
会社の座席表で奈々未の部署を印刷する
そこに、役職やその人がどういう人かを思い出しながら書き込む



夜に名前君が会社から帰る時に私の部屋に寄った

橋本「どうしたの?」
『ちょっとだけ、上げて? 明日以降の話』
橋本「うん」
私は名前君を家に上げる


『明日も戻ってなかったら、2日連続休むのはまずいし、ちょっと纏めてきた』
橋本「え?」
名前君に何枚かの紙をもらう

橋本「これなに?」
『今、奈々未が任されてる仕事内容とやり方、それと部署の座席表、仕事は奈々未の同僚に聞き出してきた』
橋本「わざわざ?」
『困るでしょ?w』
橋本「あ、ありがと」


『明日、一緒に出勤しよう部署までついてくから』
橋本「え、あ、う、うん」
『〇〇駅で待ってるから、じゃあ帰るね』
橋本「もう帰るの?」
『俺には彼女の奈々未にしか見えないけど、今の奈々未から見たら俺は他人だもんなw 嫌だろ? 知らない人がいつまでも部屋に居たらw』
そう名前君は言うと部屋を出ていった


ふ〜ん、ちょっと意外



翌日、やっぱり私はこっちの世界に居た
名前君に指定された駅に行き、彼と合流

『奈々未の部署、ここだから』
橋本「う、うん」
『まあ、緊張するだろうけど頑張ってw』
橋本「う、うん」
『何か分からないことがあったら、メール送って? 出来る限り手伝うから』
橋本「ありがと」

私は、席に着く
すると隣の女性が声かけてきた
同僚「奈々未、大丈夫?」
橋本「うん、ごめんね、ちょっと体調崩しちゃって」
事前に名前君に教えてもらった情報から、彼女は部署では結構仲のいい同期らしい


私の仕事は、色々あるみたいだけどマニュアル化されている作業も多く、何とかこなす

上司「橋本さん」
橋本「はい!」
上司「この仕事を頼みたいんだけど」
橋本「は、はい」

予想外のことがあると名前君にメールで連絡

そして、メールの返答を読んで、書かれているアドバイスを元に作業をする

そんなことをしていると1日はあっという間にたった

橋本「疲れた〜」
『慣れないことしてるしねw』
橋本「今日は助かった、ありがとうw」
『まあ、これぐらいしか出来ないけどw』
名前君と一緒に帰る

橋本「元の世界に戻れるのかなあ」
『きっと戻れるよw』
橋本「軽いなあw」
『二人で暗く悩んでもしょうがない、1人ぐらい適当じゃないと』
橋本「何それw」


そして、私はこっちの世界で生活を始めた
名前くんにはこっちの私のことを色々と教えてもらいながら生活をした

本当のことを知っている名前くんと一緒に過ごすことが自然と長くなる
まあ、こっちの私とお付き合いしているから、周りからは一緒に居ても不自然じゃないみたいだけど

同僚「最近、苗字君とばっかりお昼行くね、帰りも一緒に帰ってw 何か冷た〜い 女の友情って儚いなあw」
橋本「そ、そう??」

そういうわけでも無いみたいw
でも、もう1人の私の彼氏さんということで、フィーリングは合うのか一緒にいるのが楽なんだよねw


とある日のお仕事は、ちょっと大変だった
ダメだ、終わらない

名前君にメールする

橋本【ごめん、残業になるから今日は先に帰って】
名前【わかった】

さて、やるか
私は覚えたての仕事に取り掛かる


定時を過ぎて、上司も同僚も皆帰っちゃった

すると

『奈々未』
橋本「名前君!?」
名前君がノートパソコン(会社の支給品)を持って私の部署にやってきた

橋本「どうしたの?」
『自分の仕事終わったから手伝いに来たw』
橋本「いいのに、自分の仕事だし」
『いいってw 終わらせて早く帰ろうぜ』
橋本「うん」


そうして、名前君に手伝ってもらいながら仕事をしていると

同僚「あれ? 何で苗字君がいるの??」
帰ったはずの隣の席、同期の女の子が戻ってきた

『まあ、奈々未が大変そうだからw お前は?』
同僚「相変わらず、奈々未のことが一番なんだねw ああ、ちょっと忘れ物」
『ごめん、ちょっとさ、聞きたいんだけど』
同僚「なに?」
『これって、資料どのフォルダだったっけ? 昔のことで記憶が曖昧でw』

そっか、前に名前君、この部署に居たから彼女と仲いいのか

同僚「えっと、これは」
同僚の女の子が名前君のノートパソコンの画面を覗き込んで質問に答える

当然、名前君と彼女の距離はちょっと近め


何でだろ・・・・・

何で名前君が他の女の子と仲良さそうに喋ってるのを見るとイラッとするんだろ・・・・・


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