パラレルワールド(橋本奈々未バージョン)

□あれから1年
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2018年2月20日

俺は都内にあるマンションの部屋の前に立っていた
インターフォンを鳴らす

しばらくして、扉が開くと一人の女性が出迎えてくれた

「名前、待ってたよ。入って?」
『あ、奈々未、じゃあ、お邪魔します』

俺は、昨年乃木坂46を卒業し、芸能界からも引退した橋本奈々未の部屋を訪れた。

というか、奈々未の誕生日なのだが、「お祝いしてくれる人が今年いないからウチに来て」と頼まれたため
本当にいないのかな??

『はい、誕生日ケーキ買ってきたよ』
橋本「ありがとう〜。あ、そこに座ってて ちょっとお酒用意するね」
『あんまり気にしないで、ていうか誕生日なのに自分で動くの?w』
橋本「だって、自分の部屋だものw」
『外でご飯食べても良かったんじゃない?』
橋本「うーん、逆にゆっくり出来なさそうな気がするんだよねw」
『そんなもんかw』

暫くすると奈々未が白ワインを持ってくる
そして、グラスに注ぐ

『乾杯、お誕生日おめでとう』
橋本「ありがとう」
『もう、あれから1年だっけ?』
橋本「そうだね、あのドタバタした乃木坂卒業から1年w」
『ということは、奈々未と出会ってから約1年?w』
橋本「目の前の私とは丁度1年ねw もう一人の私の期間は入れないでよ?w」
『そっか、そうだねw』
橋本「ねえ、私たち出会って1年経つけど・・・・・(ピンポーン)・・・・ん?ちょっと見てくるね」

奈々未が何かを言い掛けるとチャイムが鳴る
奈々未は玄関の様子を見に行く

玄関の方から声が聞こえてきた
橋本「はい、げっ!? 麻衣、七瀬!?」
白石「何よ、その反応?」
西野「麻衣、見てほら玄関の靴!」
白石「やっぱり!」
橋本「ちょ、ちょっと勝手に入らないで!?」
西野「奈々未、そこどいて!」

ドタドタと足音が聞こえてきて、玄関の方から麻衣と七瀬が姿を現した

『あ、麻衣、七瀬』
西野「名前、何でここにおるん?」
『いや、奈々未に招待されて・・・・・』
白石「それでノコノコと来たの?」
『え?ちょっと、待って?俺怒られるの??』

橋本「誕生日ぐらいお祝いしてもらってもいいでしょ?」
二人に追いついた奈々未が声を掛ける

西野「何で二人っきりなんよ?」
橋本「それは・・・・・」
白石「私の誕生日の時、奈々未来たじゃない!?」
西野「ななの誕生日の時も奈々未来たよね!?」

そういえば、七瀬と麻衣の誕生日にそれぞれ会ったときに奈々未も一緒だったよな

橋本「そ、それは・・・・・ほら、私は引退したけど二人はまだ現役だから私がいた方が何かと言い訳つくかなあって」
白石「よく言うわよ」
西野「ホンマや」

『ちょ、ちょっと、3人とも落ち着いて・・・・・』
西野「名前も名前や!」
『え?何??』
白石「一人で部屋に来るなんて不用心でしょ?」
『不用心って、俺に使う言葉じゃ・・・・・』
西野「襲われたらどうするんよ?」
『襲うって、俺そんなに信用ない?(汗)』
白石「違う!」
『え?』
西野・白石「奈々未に襲われたらどうするのって話!!!」


えええ〜、そっち???


奈々未の方を見ると顔を真っ赤にして俯いている
ひ、否定しないのかよ

七瀬がワインのボトルを手に取りラベルを確認する
西野「ほ〜、ドイツの白ワインなあ。度数のわりに飲みやすいもんな、これ」
橋本「ちょ、ちょっと!?」

麻衣が冷蔵庫の方へ移動する
橋本「ま、麻衣!?」
麻衣は奈々未の制止を振り切って中を確認

白石「うわ〜、アルコール度数高いのに口当たりの良いお酒ばっか・・・・・」
橋本「い、いや、たまたまその種類が好きで・・・・・」
西野「名前を酔わせて、襲うつもりやろ?」
白石「それしか考えられないね」
橋本「ご、誤解だってば!」

麻衣と七瀬がリビングのカーペットの上に座る
橋本「ちょっと、二人とも!?」
白石「今日は、私たちも奈々未の誕生日をお祝いするね」
橋本「二人とも仕事は?」
西野「奈々未の卒業後の初の誕生日をお祝いしたいって言ったら、今日の午後と明日の午前を空けてくれたw」

橋本「チッ、何であの人たち(運営)、こういう時だけ気を遣うのよ」


奈々未?ちょっと顔が怖いんだけど・・・・・


橋本「食べ物は二人分しか!」
白石「大丈夫!w」
西野「デパ地下でお惣菜のセット買ってきたw」
まだ食い下がる奈々未に対して、準備万端の二人

橋本「ああ!!もう!!!」


結局4人での奈々未の誕生パーティーが始まった

しかし、不思議なもので同じ時間を数年間過ごした仲間同士、昔の思い出や近況報告で何だかんだ盛り上がっていた
逆に俺、居ない方がいいんじゃ?w

橋本「あ、名前、ゴメン、何か私たちだけで盛り上がって」
『いいよ、気にしないで3人の話を聞いてるだけで面白いし』
白石「名前、もっと飲みなよ〜」
『俺は、明日朝から仕事が・・・・・』
西野「ええやん、休んだらw」
『また、無茶を言うw』

奈々未も含めて、明日の午前中は何もない3人は結構なペースでお酒を空ける
俺は、明日朝から普通に仕事なので、いつもよりは少し早いけど何とかセーブしながら飲んでいた


それもしばらくすると・・・・・・

白石「zzzzz」
西野「zzzzz」

橋本「結局、二人とも寝ちゃったね〜w」
『だね』

リビングのカーペットの上で寝てしまった二人にブランケットを掛けながら苦笑いする奈々未

橋本「ところで名前〜」
『なに?』
奈々未が俺の隣に座って話しかけてきた
何か奈々未の喋り方が甘ったるい、酔っぱらってるのか?

橋本「私たち、出会って1年でしょ〜、そろそろ先に進む頃だと思うんだよね〜」
『奈々未?酔っぱらってる?大丈夫??』
橋本「酔ってるかもしれないし、そうじゃないかも〜」
『いや、絶対酔ってるよね?w』
橋本「ねえ、エッチしよう?」
『はあ!?』
橋本「いいじゃん」
『いやいや、第一そこに七瀬と麻衣が』
橋本「そういう、言い訳ばかりする口にはこうだ!」
『おい、な!?』
突然俺の口が奈々未の口で塞がれる

少しして、奈々未の唇が離れる

橋本「私のこと、嫌い?」
『そ、そんなこと無いよ』
橋本「じゃあ、二人が名前のことを好きだから気を使ってるの?現役アイドルだし」
奈々未は寝ている七瀬と麻衣の方を見る

『いや・・・・・それは・・・・・』

正直、ここまでの付き合いになると、脈が全くないとは思わない
「うん、そうだ」とも言いにくいけど


橋本「分かった」
『そ、そう』
良かった、とりあえず今日は切り抜けられそう・・・・・と思った瞬間だった



橋本「えい!!」
そういうと奈々未は全力で俺を押し倒した


ゴン!!
後頭部をカーペット越しとはいえ、思いっきりぶつけて鈍い音がする



『いっ・・つ・・・奈々未?っておい!!」
橋本「つっかまーえた!!!w」

奈々未が満面の笑みで俺に馬乗りになる



『ちょ、ちょっと!?』
橋本「もうさ、既成事実を作っちゃえば良いと思うだよね〜」
『ね、落ち着こう?』
橋本「そうしたらさ、七瀬も麻衣も名前のこと諦めると思うし〜、名前も踏ん切りつくでしょ〜?」
『酔っぱらった勢いですることでもないよ?(汗)』
橋本「勢いも大事だよw というわけで」


馬乗りに乗った状態で服を脱ごうと自分の上着に手をつける奈々未

そこに・・・・・


「奈々未?」
「あんた、何してんの?」
氷のように冷たく、そして低い声が背後から聞こえる


その声にビクッと体を震わせて、手を上着につけたままゆっくりと振り向く奈々未

その視線の先には、さっきまで寝ていたはずの麻衣と七瀬が起きて冷たい目で睨んでいた

橋本「あ・・・・・やば・・・・・」

Fin

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