パラレルワールド(橋本奈々未バージョン)

□第1話
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1月のある日

俺は、友達と遊ぶ約束をして、待ち合わせ場所にいた。

そこで声を掛けられた。

「ごめん、待った? 今日は久々のデートだね。行こう?」

そう声を掛けてきたのは美女、しかも腕を組んできた。
その相手とは・・・・・

『橋本奈々未?・・・・・さん??』
「何よ、急に」
『いや、何で?』
「忙しくて会えなかったの、そんなに怒ってるの? しょうがないじゃない、本当に忙しかったんだから」
『人違い・・・・・ですよね?』
「名前、怒ってるの? 電話の時は怒ってなかったのに」
『いや、怒ってはないけど・・・・・』
「今日はせっかくの記念日なんだしさ、楽しく過ごそうよ」
『記念日??』
「そう、付き合って2周年って、いいかげんしつこいよ?」

既視感
どっかでこんなの体験したぞ

俺は天を仰いだ

おいおい、マジか・・・・・
しかも来月卒業だぞ、橋本奈々未って

『橋本さん、ちょっと待ってて電話を2件かけさせて』
「なに、急に他人行儀な呼び方」
『あ〜、じゃあ、な、奈々未?。 ちょっと待って。すぐ終わらせるから』
「なに、じゃあって」
『ごめん、本当にごめん』

そういって、俺は電話を掛ける。
最初の相手は、今日遊ぶ予定の友達

『悪い、急用で今日遊べなくなった。 うん、ごめん。 今度なんか奢るから。うん、悪いね』

不思議そうに俺を見つめる奈々未ちゃん。
『ごめん、あともう1件電話するね』
「うん、早く終わらせてね?」

俺は電話を掛けると向こうが出てくれた
「もしもし?」
『まいやん? 緊急事態』
「なに? いきなり??」
『目の前に、ななみんがいる』
「は?」
『しかも、入れ替わってるっぽい』
「え?うそ!?」
『ごめん、家に来てくれる?』
「うん、分かった。なぁちゃんも連れていく」


「終わったの? ていうか、まいやんって誰?」
『これから行きたいところあるんだけど』
「さっき、家って言ってたけど、名前の家に行くの?」
『うん、来てくれる?』
「行ってもいいけど、昼間からはしないよ?」
『しないって?』
「うーん、適度な運動?」

・・・・・あ、セックスのこと??

『いや、しない、絶対にしない!!』
「別にそこまで否定しなくても・・・・・会ってすぐするのは嫌ってだけで」
『と、とりあえず行こう』

奈々未ちゃんとのやりとりにドキドキしながら、俺の家へ

『ごめん、少し待ってて』
家に着いて奈々未ちゃんに温かいお茶を出して話しかける。

「うん、でもどうしたの? 何か今日変だよ??」
『後でちゃんと説明するから』

ピンポーン
『来た、ちょっと待ってて』
「誰が来たの?ちょっと!!」

奈々未ちゃんの言葉を振り切って、俺は玄関に出迎えに行く

「ねえ、名前君、さっきの話本当?」
「ななみん、入れ替わってるん?」
『待ってた!!とりあえず上がって』
玄関の外にいたまいやんと七瀬ちゃんを迎え入れる。

奈々未ちゃんが部屋に入ってきたまいやん、七瀬ちゃんを睨む
「ななみん・・・・・」
「名前? この女誰よ!?」
『ほら、こんな感じ』
「うそやろ」
「ちょっと、あなたたち何者?」
「ななみん、私のこと分からない?」
「・・・・・? あ」
「分かる!?」
「なんだっけ・・・・・ほら最近人気のアイドルグループの」
『乃木坂46?』
「そう!!それ!! ん?名前、いつの間に知り合いになったの?」
そういうと奈々未ちゃんが不思議そうに俺の顔を見つめる。

まいやんと七瀬ちゃんがお互いの顔を見合わせる。
ほぼ確定


『奈々未、これから話すことを落ち着いて聞いて?』
「なに? 3人とも真剣な顔して・・・・・」

俺たちは今までの経緯や今起こっている状況を説明した。

「パラレルワールド!?」
『そう』
「3人とも大丈夫? なに訳の分かんないことをw」

そうだよなあ、普通の人ならそう反応するよなあ。

『そうだ、これ見てくれない?』
「名前君、どうするつもりなん?」
『年末の紅白を録画しているから、それを見せる』
「ああ、なるほど」
「一体、何なの?3人とも??」


年末に録画した紅白歌合戦。
乃木坂の出番の箇所を再生する。

センターポジションで卒業ソングとなる「サヨナラの意味」を歌う橋本奈々未が画面いっぱいに映し出されていた

「私!?うそ・・・・・」
テレビの画面に映る自分の姿を見て唖然とする奈々未ちゃん

「これ、どういうこと?」
『だから、さっきも説明したけど』
「ここでは、あなたは乃木坂46のメンバーなの」
「ウチらの仲間」

俺たち3人の顔を見つめて、再び画面に視線を戻す奈々未ちゃん

「・・・・・私がアイドル?」
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