パラレルワールド(AnotherWorld)

□第1話
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私の名前は、西野七瀬。
乃木坂46というアイドルグループで活動するアイドルだ。
ありがたいことに最近、グループの人気も出てきて沢山の人に知ってもらえるようになった。

雑誌の撮影を終えて部屋に帰り、リビングのドアを開けると

『あ、お帰り』
「七瀬、お帰り〜。お腹すいちゃった、七瀬待ってたんだよ。早く食べようよ」

知らない男性と女性が私の部屋にいた。

「え?あれ!?」

慌てて、部屋を出て部屋番号を確認する。
いや、ここウチの部屋だよね?
自分の部屋であることを確認した後に再びリビングに戻る


「どうしたの?急に外に出て行って?」
知らない女性が不思議そうに尋ねてくる。

いやいやいや、あなたは誰?

『七瀬、なんかあったの?』
と知らない男性。

あなたも誰?
二人とも何でななのこと呼び捨てにするの??

というか自分ら本当に誰?
強盗?ストーカー?
やたらフレンドリーやけど

「あの、何なんですか?一体自分ら誰なん?はよ出てってよ!警察呼ぶで!!」
めっちゃ怖かったけど、スマホを片手に相手に言う。

キョトンとした顔をする二人、そして二人は顔を見合わせて話し始めた。

「名前、また七瀬を怒らせるようなことしたの?」
『いや、何もしてないって。今日、会社に行くときも普通だったぞ?』
「鈍感だから、気づかなかっただけでしょ?」
『優花、お前なあ』
「七瀬、また名前が何かやらかしたんでしょ?私は七瀬の味方だから話してみて」

なんか二人で盛り上がって、優花と呼ばれた女の子がウチに話しかけてくる。

「いや、自分も誰なん?」

「七瀬!?ひっどーい!!こいつのことはまだしも、親友の私にそんなこと言う!?」
『優花、俺はお前たちの先輩だぞ?こいつって言うな、こいつって』
「うっさい!私から大切な七瀬を奪った奴なんて、こいつでも勿体ないぐらいよ!」
『奪ったって、あのねえ』

なんなんこの二人!?
ウチのこと無視して勝手に話し進めてるけど!?

なんか拍子抜けしてしまった。
まあ、悪い人じゃなさそうだし、とにかく帰ってくれたらそれでええわ。
ウチも疲れてるし。

「もうええわ、警察呼ばないから、二人とも帰ってくれへん?」

ウチの言葉に顔を見合わせる名前と言われた男と優花と呼ばれた女

「私は、いいけど・・・・・名前、他に帰るところあるの?」
『いや、無い』

「どういうこと?」
と私は尋ねた。

『だって、ここ俺の家だし』

「はあ?」
また訳の分からないことを言う

「ここ、ウチの部屋やで?」
『まあ、そうだね』
「じゃあ、なんで?」
『なんでって・・・・・俺たち同棲してるじゃん』
と名前と呼ばれる男性が自分とななを指さした。

「ど、ど、どうせい!?」

どうせい・・・・同棲・・・・・
同棲って、あれだよね。
男の人と女の人が結婚前に一緒に生活する・・・・・

「な、何言うてるん?そんなことするわけないやん!?」
『いや、半年前から一緒に生活してるだろ?七瀬、本当にどうしたんだ??』
「いや、だってウチ、乃木坂のメンバーやし。そんなことできるわけないやん」
『乃木坂のメンバー?七瀬何言ってるの?』
「七瀬、どうしたの?なんか変だよ?」

変?ウチが??
そんなはずない、だって乃木坂のメンバーとしてずっと恋愛とか同世代の女の子が経験することを我慢して、この世界で頑張ってきた。
そんな私の今までの生き方が変なはずがない。

私が反論しようとすると意外な答えが返ってきた。

「だって、七瀬は乃木坂のオーディション途中で辞退したって言ってたじゃん」
『ああ、俺もその話を聞いたことある』

は?
ウチが乃木坂のオーディションを辞退した?

いや、そんなはずはない。
今まで乃木坂の一期生として頑張ってきて、今日も雑誌の撮影をしてきたばかり。

「いや、ウチは乃木坂のメンバーやで?」
二人に証明しようと乃木坂の公式HPをスマホで呼び出す。

「え!?無い!!!ウチのことが載ってない!?」
乃木坂の公式HPには、西野七瀬に関する記述が載ってなかった。

どういうこと!?

全く状況がわからん。
何か悪い夢でも見てるみたい。

部屋を見回すと見慣れたはずの部屋なのに違うところが色々とある。


その一つにリビングに写真を貼り付けたボードがあった。

そこには・・・・・

ななと名前と呼ばれている男の人が写っている写真があった。

しかも・・・・・


ななが名前って人の頬にキスをしている写真だった。

「何これ!?」

こんなの世間に流れると乃木坂の皆に迷惑が掛かる。

「あ〜、それ付き合って3周年の写真だっけ?名前がディズニーシーのミラコスタの部屋をとっててくれたってはしゃいでたよね。ていうかなんで私があの時カメラマンなのよ?」
『いや、つーか何で優花があの時に一緒に居たんだ?って話だろ??』
「いや、ディズニーに行くって言うから「私も行きたい!」って言ったら七瀬がいいよって。記念日ならそう言ってよね。二人で泊まるからって私だけ帰って空しかったんだから」

何か勝手に話し始める二人をよそに私はボードに貼られている写真を見る。

今部屋にいる二人を含めた3人の写真。
名前という人との2ショット
優花という女の子との2ショットもある。

全く身に覚えのない写真ばかり。

一体どういうこと?



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