監督の妹 A3!
□監督の妹1
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私は万里くんと別れ、母から頼まれたおつかいを済ませた後帰宅した。
「ただいまー」
リビングに入ると、意外な人物がソファに座っていた。
「…お姉ちゃん?!」
いづみ「亜矢!!おかえり!久しぶりだね、元気にしてた??」
お姉ちゃんは私に抱きつきながら尋ねた
…お姉ちゃんのこういう所ってすごく可愛いなあ
「うん!元気にしてたよ!!!お姉ちゃんは?劇団は順調??」
お姉ちゃんはその言葉を待ってましたと言わんばかりに、私の方を改めて見る。
いづみ「亜矢…その事なんだけどね……。いきなりで本当に申し訳ないんだけど……亜矢に劇団のヘアメイクを担当してもらいたいの!!」
「え??!どうして!!…ちゃんとしたヘアメイクさん雇えばいいんじゃない?私そんな上手な訳じゃないよ?」
いづみ「うーん…本当はそうしたいところ何だけど、お金の関係もあって雇う余裕も無いんだよね…。でも亜矢は昔からそういうの得意だったでしょ??劇団にそういうの出来る子いないから今日亜矢に頼みに来たの!!!」
どうしよう。こういう時のお姉ちゃんって断りづらいんだよなあ……でもよくよく考えてみると私学校終わって家に帰っても暇だからなあ………
やってみるか…
「そっか……でもお姉ちゃんが困ってるなら私手伝いたいな!!ヘアメイクの練習も出来るし!」
するとお姉ちゃんはキラキラの笑顔で私にこう言った。
いづみ「本当?!やった嬉しい!!!じゃあご飯食べたらすぐ行こうね!!!とりあえず劇団に挨拶しにいこう!」
え??今日行くの?
待って心の準備出来てないんだけど……そういえば劇団って男の子しかいないんだよね?余計無理だよ…!
「え…お姉ちゃん私まだ心の準備が…」
いづみ「え?大丈夫大丈夫!!みーんな良い人ばっかりだし!!亜矢なら皆大歓迎だと思うよ!」
まじか…でもやるって言っちゃったしやらないとね。
その後、私はお姉ちゃんとお母さんと久しぶりの3人で夕食を済ませ、お姉ちゃんと一緒に劇団員が住んでいる寮へと向かった。
いづみ「はい!!ここが寮だよ!!さ、入って入って!」
…思ってたより大きい寮だなあ。
ここに劇団員が住んでるのか…緊張する。
中に入ると、もう既に賑やかな声がリビングから聞こえてくる。
まだ夕食の時間だよね、皆集まってるのかも……はぁ、すごく緊張してきた……。
いづみ「さ、挨拶しよっか!………皆ー!ただいまー!」
「お、おかえり監督」
「カントクちゃんおかえりーー!」
「監督ただいまのキスは…?」
「おかえりなさいカントクさん!」
沢山の人がお姉ちゃんに声をかける。ってかただいまのキスって…!!お姉ちゃん普通にスルーしてる…。すごいな。
いづみ「はい、皆集まって〜!皆に紹介したい人がいるから!」
「??なになにカントクちゃんに彼氏出来ちゃったとかー?」
「そんな奴いたら殺す。」
いづみ「違うってばもう!……えっとね今日からこの子に、MANKAIカンパニーのヘアメイクを担当する事になりました!皆仲良くしてね!!」
一斉に視線が私へと集まる。
……よし!ちゃんと挨拶だ!
「今日からここで皆さんのヘアメイクの担当をさせてもらう事になりました、妹の立花亜矢と申します。よろしくお願いします!!」
これで大丈夫!変な挨拶じゃないよね!!
お辞儀をして体を起こすとふと見覚えのある人と視線があった。
「………万里くん??」
万里「…まじかよ。」