ヘリオトロープ

□FILE.2
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「そういえば、あなた、彼女の車から火の手が上がる直前に彼女に電話し、自殺をほのめかすメッセージ受けたそうですが…」

「あ、ああ…泣きながら『サヨナラ』って…
ホラ、今夜8時54分!通話履歴が残ってるだろ?」

「高木くん、110番された時間、わかる?」

「えーっと9時21分です…」

「30分近く差がありますね」

「あ、電話したのわたしなんですけど…」


どうやら蘭ちゃんによれば、先に救急や消防に連絡するのに手間取ったかららしい。


そのとき、少しトーンが高めの声がはさまった。


「でもさー、おかしくなーい?
普通、車の人が乗る場所って燃えにくい物で作ってあるのに、なんであんなに燃えてたの?」

「車内にスプレー缶や紙やダンボールが大量にあったようで、それに引火したからあんなに燃えたらしいよ…」


伴場さんによると、今夜パーティーが終わったあとに、初音さんと2人で車を塗装するために乗せていたようだ。


そのことを確認するために目暮警部が伴場さんの携帯のメールを確認していると、事件があった時刻の30分ほど前に初音さんからあと30分くらいで戻るというメールが届いていたのを見つけた。


それを確認した目暮警部は伴場さんに切り出した。


「つまり、あなたは車内に可燃物が大量にあった事も…彼女がこの店に戻ってくる時間も知っていたという事ですな?」
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