少女の物語

□三章『旅は道ずれ世は情け』
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翌日



ちゅんちゅん…



「ん……っ」



 クレイスが小鳥の鳴き声で目を覚ますと、窓に入ってくるのは青白い月の光ではなく、温かな太陽の光が差し込んでいた。



「結局、眠れませんでした……」



 クレイスは昨夜のことが気になって、眠れずじまいだった。倦怠感を感じる体をベットから起き上がらせたその時だった。



コンコン
ガチャ



「あ、起きてたんですね!おはようござい、ま、、―――あ………///」



 ノック音と共に中に入ってきたのは、黒い服を持った、アメリアだった。クレイスを見たアメリアは、顔を赤くして口を開けたまま、呆然とクレイスを見ていた。



アメリアside



 私は、少女を見た瞬間、口を開けたまま固まった。

可愛い子だなぁと助けた時から思ってたけど、想像以上に、――少女が美しかった。

太陽の光がキラキラとプラチナブロンドの髪を照らして、少女の翡翠のように美しい翠の瞳は、吸い込まれそうなほど澄みきっていた。
暫く少女の瞳に見いっていると、少女は喋らない私に不振に思ったのか、私に声をかけた。



「あの、大丈夫、ですか…?」

「………ハッ! す、すみませんっ!/// あまりにも可愛かったので、見とれちゃってました。」

「??」

「えっと、どこか調子の悪いところとかあります?」



 私は少女に駆け寄って、安否を問う。
うう…/// 同姓なのに、可愛いすぎて惚れてしまいそうです…///

少女はこてんと小首を傾げながら答える。



「私は、大丈夫だよ…?」

「そうですか、よかったです。一晩眠ったので、魔力が安定したんですね。」

「あの、私は、どうしてここに…?」

「貴女、眠ってたんですよ。
神殿の奥にあるイスで、魔力を吸う茨に捕まって。」

「?神殿に、いた? 私が…?」

「はい。あ、まだ名乗ってませんでしたね。私はアメリアです。貴女は?」

「私は、クレイスです。」

「クレイス…可愛い名前ですね。下でリナさんたちが待っているので、えっと、……これをどうぞ。」



 私は手に持っていた一式の服をクレイスに渡した。
……ちなみに、この服はゼロスさんから貰いました。理由は、また後程話そうと思います。

クレイスは頭に?を浮かべながらも、服を手にとり、にこりと、微笑んだ。



「ありが、とう。アメリアさんっ」



 それは、ふわりと花が咲くような笑顔だった。











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