少女の物語
□序章『神殿の噂』
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魔族には姫がいた。
あの金色の魔王(ロード・オブ・ナイトメア)の娘である、魔族の姫君。
誰よりも優しく、誰からも愛され、誰よりも強い力と、不思議な力を持っていた、魔族の姫。
その優しさに、あらゆる種族が心を奪われ、
その愛らしく美しい容姿にすべて魅了され、
その力で守りたいものを守り、
不思議な力で、土地を潤したと。
最も姫を寵愛していた高位魔族たちは、姫を大切にするあまり、とても過保護だった。
しかし、姫は突然消えた。
原因は不明。人間の間では語られておらず、どの書にも刻まれてなどいない。もっとも、魔族の姫がいた、ということを知る者も、ごく一部だが。
姫がいなくなって、それから、降魔戦争が始まったのだ。
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