COLORFUL WORLD
□第8章:White chase
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「‥‥お前みてェな弱いやつが、覇気を習得したのは偶然だと思うか?」
「ハキ‥‥?」
サクロは眉根を寄せ、小首を傾げた。スモーカーとコビーは静かに息を飲んだ。
「‥‥覇気すら自分でコントロール出来ねェのか、フフフフ。 感情が高ぶった時にしか出せねェなら、やっぱりお前は能力を持つ資格がねェ」
「え?どういう意味、そのハキって」
スモーカーが十手の先を檻に入れ、おもいきり床を突いた。
「ドフラミンゴ、分かりやすく言え。パウダーリムのワインには何が入っている」
「お前が知るべきことじゃねェと思うがな‥‥フフフ」
「立場を分かっていねェようだな‥‥前のようにいくと思うなよ?」
十手の先端をドフラミンゴの頬へ押し付ける。ドフラミンゴはフフと笑みを零した。
「こんな野犬が海軍の中将とはなァ‥‥相変わらずイカレた組織だぜ。そんなに知りてェなら教えてやるさ‥」
サクロは息を飲んで、ドフラミンゴの口元が動くのを待った。
「パウダーリムのワインには能力や覇気を強化する作用が含まれてんだよ…‥神経に強力に効くのさ」
ドフラミンゴが発した言葉に、三人は息を飲みこんだ。
「そのような薬物が存在する話は聞いた事がありますが…まさか‥‥。海軍管轄でそんなもの造るはずありません!!」
「このワインを造っていたのは、他でもないアンドロイドだろう…?」
「だからって‥‥そんなものが入っていたら、たちまち噂になりますよ!!」
「それが、まだ世に知られていねェ物質だとしたら…?一般人が飲んだって調べたって、そうは知り得られるモンじゃねェ」
「どうしてあなたが知ってるんですか?!科学者でもないのに!!」
「フフフフ‥‥パウダーリムにはシーザー・クラウンも関わっていたのを知らなかったのか?」
シーザー・クラウンの名を聞いてスモーカーが口を開いた。
「シーザー・クラウン?あの野郎が造らせていたのか?!」
「そりゃァ‥‥ありえねェだろうなァ‥‥そんなモノ造れるなら、とっくに自ら海軍なんて辞めていたさ」
「だったら‥‥海軍が‥‥作らせていたとでも?!」
「フフフ‥‥人の巨大化を推進しているくれェだ、そんな作為が実在しても不思議じゃねェだろう?」
サクロは静かに深呼吸をした。コビーとスモーカーをチラリと見る。二人は固唾を飲んだ。
「ありえない。ただの憶測よ」
「お前ら海軍や政府がいつも正しい事をしているとは限らねぇ‥‥てめェらがバカみてェに信じている海軍の正義とやらがひっくり返った瞬間のお前らの顔をこの目で見てみてェモンだなァ…‥‥フフフフ」
おおかた二人の動揺した姿を見て楽しんでいるに違いない。ドフラミンゴの思い通りなんかにさせない。