COLORFUL WORLD
□第8章:White chase
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新しい葉巻に火をつけ、深く煙を吸い込み、そして吐いた。
吐き出された白煙は空に立ち昇って静かに消えてゆく。
そして、もう一度煙を肺に入れた。燻した香りが体中を巡る。
スモーカーは船を飛び降りると、Navylandの事務所に向かって闊歩した。
「スモさん、おかえり!‥‥ってそんな急いでどこ行くんだよ?!」
「悪い、後でな」
事務所のドアを開けるなり、スモーカーは机の上に勢いよく書類を叩きつけた。
「すぐに出航の準備をしろ」
滅多にNavylandに顔を出さないスモーカーの姿に、コビーは慌てて近寄った。
スモーカーが持ってきた書類は目を見張るものだった。書類に書かれているのは、インペルダウン入館許可証の文字。コビーは刮目して書類をよく見つめた。
「リリちゃんも入れるようになるなんて‥‥よく許可下りましたね‥‥」
スモーカーは葉巻の煙を勢いよく吐いた。
「表向きは新人の社会見学って事にしてある。‥‥で、アイツは?」
「もう少ししたら出社しますよ」
「そんな悠長なこと言ってられねェんだよ。西の方の波が荒れてた。時期にこっちに来る」
そうしてインぺルダウンへの出航が決まり、スモーカーとコビー、リリの三人はインペルダウンに向かう海軍の船に乗り込んだ。たしぎを筆頭にG5の仲間達は船着き場で出航を見送った。
「たしぎ、留守中のことは頼んだぞ」
スモーカーがそう言うと、たしぎは船上に向けて敬礼をした。G5の男たちも大きく手を振る。
「はい、スモーカー中将。行ってらっしゃい!」
リリも甲板から大きく手を振った。
雲一つない晴天の青空が広がっていた。海軍の船は、一直線にインペルダウンに向かった。