なつみかん短編

□逃走
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授業も終わり、暁色に染まり始めた空。
誰もいないアリス学園の校舎の外を栗色のツインテールをした少女が走っていた。

「は、はよ逃げなぁ!」

関西弁の彼女は何かから逃げているようで。
息を切らしながら全速力で走っている。

「こ、ここまで来ればジンジンもさすがに来ぃひんやろ…。ハァハァ。」

少女の名は佐倉蜜柑。
そして、蜜柑が何から逃げているのかと言うとお察しの通り、ジンジンこと神野先生だ。
宿題提出を何回もサボったため、とても怒っているのだ。

「疲れたなぁ…。でも、ジンジンに見つかったら雷確定や…。」

疲れたためか、蜜柑は木にもたれかかるとズルズルと座り込んでしまう。

「蛍たちと遊びたいなぁ…。」

蜜柑がシューンとなってた時だった。

バリ バリ バリっ

激しい音が響き、蜜柑のもたれていた木の枝がポッキリ☆

「なっ…。」

蜜柑が叫ぼうとしたときー、

「見つけたぞ…佐倉…。」

聞き覚えのある先生の声…。
背筋がびくっと伸びる。
おそるおそる振り替えると…

「ジ、ジンジ〜ン」

目線の先には予想通りの人物。
「逃げるとはいい度胸だ。仕置きが必要のようだな。」

ど怒りモードでステッキを雷を宿らせる。

(もうダメやっ…!)

蜜柑が観念したときだった。


ボォォォォォ

神野先生と蜜柑の間に炎が表れる。

「この火…日向か!?」

神野先生が叫んだのと同時に蜜柑の体は何者かに持ち上げられる。

「な、棗!!」

蜜柑はその人物を見ると嬉しそうに抱きつく。

「日向…どういうつもりだ!!」

神野先生は、片手で木の枝を掴み片手で蜜柑を抱えている棗に怒鳴る。
それに全く怯まず棗は言った。

「自分の女がいくら少量の雷とはいえ目の前で傷つけられそうになってるのを黙っておくわけねーだろ。」

とたんに蜜柑の顔は赤く染まる。

「いい加減に…!」

神野先生がアリスを使おうとしたのを交わすと

「安心しろよ。コイツの仕置きは俺がする。」

そういい放つと、そのまま、寮の方へと向かっていった。

その日、棗の部屋から奇妙な声が聞こえたとさ!

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